若いベーカーから相談メールが来る事があります。
職場の環境が極めて悪い・・・・
この給料でこの仕事量はありえない・・・・
12時間労働はあたりまえ・・・・
殺伐としていて楽しみがまったくない・・・・
描いていたイメージとは違い過ぎてガッカリ・・・・
こんなに不衛生で良いのか心配・・・・
手作りと言っても機械だらけ・・・・
総合するとこのような言い分が多いのですが、相反して・・・
毎日とても忙しいですが充実している・・・・
生地に触れると幸せを感じる・・・・
早くオーナーの様な人間になりたい・・・・
パン作りはどこまで行っても未知の魅力がある・・・・
自らが作り出すという実感が沸いてくる・・・・
先輩の言葉にいつも勇気づけられている・・・・
何と奥の深い仕事なのかと改めて思う・・・・
と言うような意見も多くあります。
皆さんそれぞれの職場環境があり、それぞれの考え方にのっとって毎日仕事をされていることと思いますが、その考え方と言うのには随分と違いがあるものなのですね。
オーナーの方からのメールと言うのは実際には少ないので、どうしても働く側、つまり雇用されている人からの質問や、時には愚痴なども頂く事があります。
自分がお店にとってどのような存在であるのか・・・・
その様な事には一切触れようともせずに、自分の思いの丈をぶつけてくる人もいれば、自分の存在価値をきちんと理解していて、どうすればより貢献できるかを悩んでいる人もいる・・・・
実に人間の考え方と言うのは不可解なものですね~
私には、この方々の働きが見えませんので、どのような内容であっても励ます以外には無いのですが、もしも働きが見えていたとしたら・・・・
そう考えると、まったく内容は違ってきてしまうと思います。
どう言う事かと言いますと、もしも働きが見えてしまい、その内容がお粗末なものだとしたら、即座に辞めてしまえと言ってしまうからです。
メールは良いですよね、人間性は見えませんから優しくなれます。
一歩譲って相手の気持ちを理解しようと努め、心を落ち着かせて返信する事が出来る。
しかし、もし直接パン作りの現場を見ていたとしたら、とてもそんな気持ちにはなれないかもしれません。
と言うより絶対になれない・・・・
いったい何が言いたいのか???
今回の内容は、私自身が過去から現在に至るまでに、ほぼ毎日のように苦悩と闘っている事を書きます。
仕事としてパンを作っていない人には、いったい何を言っているのか解らないかもしれませんが、その点はどうぞお許しください。
パン作りを仕事として30年以上が経過した現在ではありますが、どうしても毎日毎日、しかも瞬間瞬間に怒鳴りつけたくなるほどの怒りを憶える事が多々あります。
それは、仕事が遅い人の態度なのです。
仕事が遅い人と言うのは、内容も雑です。
さらに、何とかしようと言う気持ちが見えません。
具体的には全体の足を引っ張るだけ引っ張っておいて、そのくせ休みや収入についてだけは文句を言います。
仕事が遅い人の分を補う為に、仕事の早い人がどれだけ頑張らなければならないか、または実際にどれだけ助けられているのかを仕事の遅い人というのは知ろうともしませんし、解ろうともしません。
仕事の早い人が休むと、作業はとても混乱し、尚且つ生産量がガタ落ちします。
しかし、仕事の遅い人が休むと、作業が以外にもはかどります。
それはなぜか????
それは仕事の遅い人がいるお陰で、全体のリズムが狂ってしまうからです。
何もやらせない訳にはいかない・・・・
早く覚えてもらわなければならない・・・・
そんな理由から、どうしても仕事の遅い人にも何かを任せなければならない訳で、そこで作業効率がグッと下がってしまうのです。
仕事の遅い人と言うのは、具体的にはどのような人を指すのでしょうか?
それは、解り易く言うと、例えば私があんパン10個を包餡するのに対して、仕事の遅い人は1個しか作れません。
では、私が100個作ったらその人は10個作れるでしょうか??
いいえ、5~6個位しか作れません。
私の成形速度にはリズムがありますから、何個作ってもリズムは変わりませんが、仕事の遅い人と言うのはリズムがまったくありませんので、さらにどんどん遅くなっていくのです。
一つの物を作るのにこれだけの差が出たら、一日トータルすると、いったいこの仕事の遅い人と私の仕事量にどれだけの差が生まれれると思いますか??
しかし、だからと言って給料が十分の一で良いと言う人は誰もいません。
むしろ、何かにつけては待遇について愚痴を言う事が多いと思います。
そんな人にも家族がいて、友人がいて、人間としてはとても素晴らしい人である事は充分理解しています。
ならば、なぜ一日の中の大半を占める仕事に対して、もっと意欲的になれないのだろうか?
それを行う事によって私達は対価を得るのであって、人間性の前にまずは仕事で職場に社会に貢献しなければならないはずですよね。
ちょっと待ってくれ・・・
そんな事言ったって、いきなり仕事が早くなる訳ではないだろう・・・
誰でも経験を積む事で仕事も早くなって内容も良くなっていくのだから、もっと長い目で見て欲しいし、人には向き不向きと言うものもあるのだから、頑張っていると言う事だけは認めてもらわないと困る・・・・
大体、一生懸命にやっているのは皆同じなのだから、能力に関してだけで人を判断するのはどうかと思う・・・・
仕事が遅いのは認めるが、これでも精一杯やっているのだから、どうこう言われる筋合いではない・・・・
いつもこのようなやり取りが行われてきました。
一生懸命や精一杯という表現には、ずいぶんと差があるものです。
肝心なのは、自分なりの一生懸命なのか、周りの皆が認める一生懸命なのかなのです。
一生懸命にやっている人を見て、怠けているように見えると思いますか??
精一杯に物事を考え行動している人を見て、怒りが沸くでしょうか??
向き不向きは仕事に限った事ではなく、誰しもが持っているし感じていると思います。
もっとあれができたらなあ、これができたらなあ・・・・と
仕事の早い人に対して、何か注意すると、大抵答えは ”ハイ ” です。
しかし、仕事の遅い人に注意すると、顔色が変わります。
何かを言う度に人間関係までもがぎくしゃくしてしまいます。
だから何も言わないでおけばいいのかと言うと、現状は何も変わりません。
パートタイマーの主婦の方であれ、高齢のシルバーパートの方であれ、社員であれ、待遇はまちまちの中でも、仕事に対する気持ちも取り組みも、皆同じでなければなりません。
事実、私は多くのパートタイマーの方々に助けられ育てられながら現在があると深く感謝しています。
ダラダラと仕事をする社員よりも、どうして明らかに作業能率の高いパートさんの方に高給を払えないのか、どうしてパートタイマーと社員との収入格差がこんなにも大きいのか、まったく納得がいきません。
自分が自分のいる会社の中で、あるいはお店の中で、どれ位売上に貢献しているのかを是非考えて欲しいと思います。
なぜなら、パンを作り、そのパンを売って得た収入から我々の給料が支払われるからです。
さらに、作ったパンの品質によって、売上が上がるか下がるかに影響があるからです。
そしてさらに、どれだけの数のパンを店頭に並べられるかによって、チャンスロスを防ぎ、売上に貢献する事になるからです。
仕事の遅い人の人間性を否定しているのではありません。
我々の本来のやるべき事は何ですか?
何を持って評価されるべきですか?
何をする事がお店にとって会社にとって自分にとってチームワークにとって最善だと思いますか?
その事を理解した上で愚痴を言うのであれば、それは建設的な愚痴でしょうし、むしろ希望・要望に該当するでしょう。
人間は感情動物ですから、内容はともかく、その言い方が嫌いだ・・・とか、もっと解り易く言ってくれなどというやりとりも多いはずです。
生理的に受け付けないんだよね・・・みたいな話も良く聞きます。
どこまでいっても、双方に決着のつく話ではありませんよね。
しかし、どんな人でもオーナーになれば解ります。
どんな人が必要な人材で、どんな人が足を引っ張る人か・・・・
自分がオーナーだったら、自分は必要な人材だろうか????
そう考えてみてはいかがでしょうか・・・・
職場の環境が極めて悪い・・・・
この給料でこの仕事量はありえない・・・・
12時間労働はあたりまえ・・・・
殺伐としていて楽しみがまったくない・・・・
描いていたイメージとは違い過ぎてガッカリ・・・・
こんなに不衛生で良いのか心配・・・・
手作りと言っても機械だらけ・・・・
総合するとこのような言い分が多いのですが、相反して・・・
毎日とても忙しいですが充実している・・・・
生地に触れると幸せを感じる・・・・
早くオーナーの様な人間になりたい・・・・
パン作りはどこまで行っても未知の魅力がある・・・・
自らが作り出すという実感が沸いてくる・・・・
先輩の言葉にいつも勇気づけられている・・・・
何と奥の深い仕事なのかと改めて思う・・・・
と言うような意見も多くあります。
皆さんそれぞれの職場環境があり、それぞれの考え方にのっとって毎日仕事をされていることと思いますが、その考え方と言うのには随分と違いがあるものなのですね。
オーナーの方からのメールと言うのは実際には少ないので、どうしても働く側、つまり雇用されている人からの質問や、時には愚痴なども頂く事があります。
自分がお店にとってどのような存在であるのか・・・・
その様な事には一切触れようともせずに、自分の思いの丈をぶつけてくる人もいれば、自分の存在価値をきちんと理解していて、どうすればより貢献できるかを悩んでいる人もいる・・・・
実に人間の考え方と言うのは不可解なものですね~
私には、この方々の働きが見えませんので、どのような内容であっても励ます以外には無いのですが、もしも働きが見えていたとしたら・・・・
そう考えると、まったく内容は違ってきてしまうと思います。
どう言う事かと言いますと、もしも働きが見えてしまい、その内容がお粗末なものだとしたら、即座に辞めてしまえと言ってしまうからです。
メールは良いですよね、人間性は見えませんから優しくなれます。
一歩譲って相手の気持ちを理解しようと努め、心を落ち着かせて返信する事が出来る。
しかし、もし直接パン作りの現場を見ていたとしたら、とてもそんな気持ちにはなれないかもしれません。
と言うより絶対になれない・・・・
いったい何が言いたいのか???
今回の内容は、私自身が過去から現在に至るまでに、ほぼ毎日のように苦悩と闘っている事を書きます。
仕事としてパンを作っていない人には、いったい何を言っているのか解らないかもしれませんが、その点はどうぞお許しください。
パン作りを仕事として30年以上が経過した現在ではありますが、どうしても毎日毎日、しかも瞬間瞬間に怒鳴りつけたくなるほどの怒りを憶える事が多々あります。
それは、仕事が遅い人の態度なのです。
仕事が遅い人と言うのは、内容も雑です。
さらに、何とかしようと言う気持ちが見えません。
具体的には全体の足を引っ張るだけ引っ張っておいて、そのくせ休みや収入についてだけは文句を言います。
仕事が遅い人の分を補う為に、仕事の早い人がどれだけ頑張らなければならないか、または実際にどれだけ助けられているのかを仕事の遅い人というのは知ろうともしませんし、解ろうともしません。
仕事の早い人が休むと、作業はとても混乱し、尚且つ生産量がガタ落ちします。
しかし、仕事の遅い人が休むと、作業が以外にもはかどります。
それはなぜか????
それは仕事の遅い人がいるお陰で、全体のリズムが狂ってしまうからです。
何もやらせない訳にはいかない・・・・
早く覚えてもらわなければならない・・・・
そんな理由から、どうしても仕事の遅い人にも何かを任せなければならない訳で、そこで作業効率がグッと下がってしまうのです。
仕事の遅い人と言うのは、具体的にはどのような人を指すのでしょうか?
それは、解り易く言うと、例えば私があんパン10個を包餡するのに対して、仕事の遅い人は1個しか作れません。
では、私が100個作ったらその人は10個作れるでしょうか??
いいえ、5~6個位しか作れません。
私の成形速度にはリズムがありますから、何個作ってもリズムは変わりませんが、仕事の遅い人と言うのはリズムがまったくありませんので、さらにどんどん遅くなっていくのです。
一つの物を作るのにこれだけの差が出たら、一日トータルすると、いったいこの仕事の遅い人と私の仕事量にどれだけの差が生まれれると思いますか??
しかし、だからと言って給料が十分の一で良いと言う人は誰もいません。
むしろ、何かにつけては待遇について愚痴を言う事が多いと思います。
そんな人にも家族がいて、友人がいて、人間としてはとても素晴らしい人である事は充分理解しています。
ならば、なぜ一日の中の大半を占める仕事に対して、もっと意欲的になれないのだろうか?
それを行う事によって私達は対価を得るのであって、人間性の前にまずは仕事で職場に社会に貢献しなければならないはずですよね。
ちょっと待ってくれ・・・
そんな事言ったって、いきなり仕事が早くなる訳ではないだろう・・・
誰でも経験を積む事で仕事も早くなって内容も良くなっていくのだから、もっと長い目で見て欲しいし、人には向き不向きと言うものもあるのだから、頑張っていると言う事だけは認めてもらわないと困る・・・・
大体、一生懸命にやっているのは皆同じなのだから、能力に関してだけで人を判断するのはどうかと思う・・・・
仕事が遅いのは認めるが、これでも精一杯やっているのだから、どうこう言われる筋合いではない・・・・
いつもこのようなやり取りが行われてきました。
一生懸命や精一杯という表現には、ずいぶんと差があるものです。
肝心なのは、自分なりの一生懸命なのか、周りの皆が認める一生懸命なのかなのです。
一生懸命にやっている人を見て、怠けているように見えると思いますか??
精一杯に物事を考え行動している人を見て、怒りが沸くでしょうか??
向き不向きは仕事に限った事ではなく、誰しもが持っているし感じていると思います。
もっとあれができたらなあ、これができたらなあ・・・・と
仕事の早い人に対して、何か注意すると、大抵答えは ”ハイ ” です。
しかし、仕事の遅い人に注意すると、顔色が変わります。
何かを言う度に人間関係までもがぎくしゃくしてしまいます。
だから何も言わないでおけばいいのかと言うと、現状は何も変わりません。
パートタイマーの主婦の方であれ、高齢のシルバーパートの方であれ、社員であれ、待遇はまちまちの中でも、仕事に対する気持ちも取り組みも、皆同じでなければなりません。
事実、私は多くのパートタイマーの方々に助けられ育てられながら現在があると深く感謝しています。
ダラダラと仕事をする社員よりも、どうして明らかに作業能率の高いパートさんの方に高給を払えないのか、どうしてパートタイマーと社員との収入格差がこんなにも大きいのか、まったく納得がいきません。
自分が自分のいる会社の中で、あるいはお店の中で、どれ位売上に貢献しているのかを是非考えて欲しいと思います。
なぜなら、パンを作り、そのパンを売って得た収入から我々の給料が支払われるからです。
さらに、作ったパンの品質によって、売上が上がるか下がるかに影響があるからです。
そしてさらに、どれだけの数のパンを店頭に並べられるかによって、チャンスロスを防ぎ、売上に貢献する事になるからです。
仕事の遅い人の人間性を否定しているのではありません。
我々の本来のやるべき事は何ですか?
何を持って評価されるべきですか?
何をする事がお店にとって会社にとって自分にとってチームワークにとって最善だと思いますか?
その事を理解した上で愚痴を言うのであれば、それは建設的な愚痴でしょうし、むしろ希望・要望に該当するでしょう。
人間は感情動物ですから、内容はともかく、その言い方が嫌いだ・・・とか、もっと解り易く言ってくれなどというやりとりも多いはずです。
生理的に受け付けないんだよね・・・みたいな話も良く聞きます。
どこまでいっても、双方に決着のつく話ではありませんよね。
しかし、どんな人でもオーナーになれば解ります。
どんな人が必要な人材で、どんな人が足を引っ張る人か・・・・
自分がオーナーだったら、自分は必要な人材だろうか????
そう考えてみてはいかがでしょうか・・・・
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最終更新日 : -0001-11-30
* by みゆ
忙しい時にこそ丁寧に教える、教えるではなく伝えるです。どんな仕事でも「伝える」方に問題があると思います。仕事が遅いという前に「伝え方」を勉強するべきです。
m(__)m