
パンにとって最適なミキシングとは、いったいどのようなものなのでしょうか?
まずは材料を良く混ぜなくてはならない為、スタートは静かに混ぜることが肝心です。 その後ほどよく摩擦させてから一旦油脂類を入れてよく混ぜ、最後になめらかな、キメの細かい生地になるまで、強めの摩擦をかけていきます。
具体的言うと、ミキシングには3通り程度の考え方が成り立つと思います。
一つは、食パンなどのキメの細かいパンを作る場合、十分にミキシングをかけて生地を作る。
二つには、ハースブレッドなどの比較的力の弱い粉を使った場合、通常の八文目程度でミキシングを終える。
三つには、フランスパンなどの、粗い気泡を楽しむパンや、パンチによって生地を作っていくパンの場合、又リバースシートを使用するクロワッサン・デニッシュなどの場合、低速のみで終える。
どのような粉を使用し、どのようなクラム・クラストを楽しむのかによって、ミキシングを分けなければなりません。
弱い粉なのに、ミキシングを強くかけすぎると、生地がだれますし、何より美味しく焼きあがりません。
逆に強い粉を使ってミキシングを抑えた場合は、それなりの個性を持ったパンになります。
ホームベーキング用の高速ミキサーを使用している方もいると思いますが、ミキシングの科学からすると、ミキシングは摩擦によって上昇する生地の温度と時間の関係で生地を作りますので、早く捏ねられるミキサーは便利この上ないとも言えますが、実践の科学として考えますと、高速ミキシングされたパン生地は、もはや粘土のような状態にあり、小麦本来の風味を欠いてしまいます。
フランスパンのように、塩しか入らないパンが何故美味しいのか?
それは、小麦の風味を最大限に生かす製法、つまり、あまりミキシングせずに、時間をかけて生地をつないでいくからなのです。
最適なミキシングとは、個人の考え方や目的が理論に裏づけされた状態でなされるものであると考えます。 現在のミキシングをただ惰性で行うより、ミキシングの方法によって変化するパンを楽しむのも、ベイカーの醍醐味だと思います。
ここがポイントいくらミキサーの性能が良くても、捏ねる生地量とミキサーボールの大きさがマッチしていなければ、正しいミキシングは行われないことを知りましょう。
あなたはどのようなミキサーで生地を仕込んでいますか?
一般的な縦型ミキサーの場合、30リットルと50リットルのボールを使い、フックで回していますよね。
よく目にする光景で驚くのは、50リットルのボールで1~2キロの生地を仕込んでいる所です。
しかも通常のミキシングで・・・・・
固めの生地だと、フックに生地が着いた状態で、ボールの中をただグルグル回っています。
そうですメリーゴーランドやコーヒーカップのように・・・・
このような状態で、はたして生地はミキシングされているでしょうか??
生地の摩擦は、フックとボールの間の狭い間隔 (クリアランスと言います)に生地がはさまり、押されたり引かれたり潰されたりしながら摩擦が行われます。
ですから、フックにぶら下がった生地が摩擦を受ける事はありません。
むしろ乾いてしまいますよね。
これは極端な例ですが、よく見かける光景であるのは事実なのです。 皆さん大丈夫ですか?
まず、50リットルのボールの場合、最低でも3キロ分の材料を入れてください。
それでも6キロ仕込みの場合よりミキシングを長くするか、高速をかけるかして、しっかりとミキシングする事が大切です。
配合にもよりますが、50リットルのボールでの最高仕込み量は10キロまでにしてください。 最小は4キロ、ちなみに30リットルのボールでは最高が6キロ、最小は2キロです。
50リットルでは6キロ、30リットルでは4キロの仕込み量がそれぞれの最適仕込み量です。
その時の生地の状態と、ミキシング時間を参考にして、それよりも少ない仕込み量の場合は高速を中心に行い、多い場合は最終の中速を控えめにします。
そのようにして、いつでも同じような生地状態を保つ事が仕込み担当者の使命です。
最終的な生地の判断は、当然生地のさわりごこちとコシ、そして艶などを確認してください。
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最終更新日 : 2023-07-05
みぃさん、コメントありがとうございます。 * by しずかな朝
小麦粉には、グルテンというたんぱく質が存在し、そのグルテンの量の多さや強さによって、パンの膨らみ方やキメ細かさなどが違ってくるのです。
そして、グルテンの量が多い順に最強力粉・強力粉・中力粉・薄力粉などに別れて来るのです。
一般的に材料問屋さんやスーパーなどで購入するパン用粉と言うのは、ほぼ強力粉と言ってそこそこ強い粉になります。
また、同じスーパーで購入する小麦粉でも、てんぷら粉や菓子用粉として弱い粉があります。
バイオレットやフラワーなどがそうですね。
一般的にこのグルテンの量が多い強力粉や最強力粉の事を強い粉と呼び、中力粉や薄力粉を弱い粉と呼んでいます。
何が強いか弱いかと言うと、蛋白の量によって違うと言う事になるのです。
日清製粉・日本製粉・東京製粉・千葉製粉・昭和産業・鳥越製粉・奥本製粉などの大手製粉メーカーのHPで、パン用粉を調べると、強力粉や中力粉などの言葉と共に、蛋白含有量なども記載されていますので、参考にしてみてください。
そして、グルテンの量が多い順に最強力粉・強力粉・中力粉・薄力粉などに別れて来るのです。
一般的に材料問屋さんやスーパーなどで購入するパン用粉と言うのは、ほぼ強力粉と言ってそこそこ強い粉になります。
また、同じスーパーで購入する小麦粉でも、てんぷら粉や菓子用粉として弱い粉があります。
バイオレットやフラワーなどがそうですね。
一般的にこのグルテンの量が多い強力粉や最強力粉の事を強い粉と呼び、中力粉や薄力粉を弱い粉と呼んでいます。
何が強いか弱いかと言うと、蛋白の量によって違うと言う事になるのです。
日清製粉・日本製粉・東京製粉・千葉製粉・昭和産業・鳥越製粉・奥本製粉などの大手製粉メーカーのHPで、パン用粉を調べると、強力粉や中力粉などの言葉と共に、蛋白含有量なども記載されていますので、参考にしてみてください。
突然で申し訳ありませんが、質問させて下さい。
ココでゆう、強い粉、弱い粉とは具体的にどの様な種類の粉の事でしょうか。
初心者でして…是非教えて頂けたら幸いですm(_ _)m
宜しくお願いします。