fc2ブログ

ベーカリーアドバイザーの部屋

パン作りのお悩み解決、超わかりやすくに挑戦しています。

Top Page › 商品知識 › 天然酵母について › 天然酵母パン=身体に良いと言う考え方をどう思いますか?
2011-04-08 (Fri)  18:54

天然酵母パン=身体に良いと言う考え方をどう思いますか?

26066277_s.jpg

こちらのパンは天然酵母??・・・・

あ~ら違うの??残念だわ~・・・・・・

私はいつだって天然酵母のパンしか食べないようにしているのよ~

ガッカリだわ~・・・・それじゃ~・・・・・

・・・・・(ー_ー)!!・・・・・・


たまにこんなお客様がいらっしゃいます。

でもまだ、このお客様は天然酵母の方が美味しいし自分に合っているとお考えなのでしょうから、それはそれで大変結構な事だと思います。

それよりも、天然酵母のパン以外は身体に悪いと思い込んでいるお客様がいる事の方が問題だと思いますが・・・・・

さらに、「こちらのパンは無添加??・・・あら違うの??・・・・残念だわ~・・・・」

と言うお客様もいらっしゃいます。

どうやら、天然酵母のパン=無添加=安全という連立方程式 (@_@;) が成り立っているようですね!

そのような方々には、

イースト菌のパン=添加物いっぱい=口にするべからず という方程式が出来上がっているようです。

食品添加物も農薬もすべて危険。

外国からの輸入食材は、輸送段階の農薬散布があるので危険。

化学的に合成された物も危険。

作り手の顔の見える、国内の信用出来る食材のみをを使った安心で安全なパン作り。

具材はすべて自家製。

酵母も自家製で、小麦粉は石臼で挽いて自家製粉。

水は天然水で、パンに入れる野菜類は無農薬自家栽培。

ドライフルーツはオーガニックを独自ルートで輸入。


・・・・・・・・・・(--〆)・・・・・・・・・・

どうしてそうなるのでしょうね~

別にそれはそれで、商品の個性としてお店のオリジナリティを出す為のものであるとは考えてもらえないのでしょうか?

やれ殺菌だ滅菌だ消毒だ~

少しでも疑わしきものは口にするな~

そんな片寄った発想が、現代の子供たちのアレルギーの過剰反応の原因であるような気がしてならないのは私だけでしょうか??

泥だらけの手でお菓子を食べていた少年期の私・・・・

片方の手にはミミズ、片方の手にはおむすび・・・・

時代は違っても、その方が色々な菌への免疫が付くような気がするのですが・・・・・

殺菌とは、手に着いた乳酸菌も殺す訳です。

人間の体の中にはたくさんの菌がいて、いい菌も悪い菌も、どちらもいるからバランスがとれていて、悪い菌が暴れれば良い菌が出動してこらしめる。

そんな免疫活動を繰り返して、丈夫な身体になって行くのではないかと思うのですが・・・・

天然酵母もイースト菌も、生まれは違えど最後に活躍するのは


サッカロミセス セルビシエ ハンゼン

に属する有能な酵母菌達です。

天然酵母の場合はこの菌の他にも、例えば乳酸菌のように明らかに身体に良い菌が豊富に含まれていたり、逆に身体にはお世辞にも良いとは言えない雑菌達がわんさかと共存しています。

化学的に培養されていないから安全とはいうものの、いったいどのくらいの雑菌を一緒に食べているのかは確認する事ができません。

しかし言えるのは、雑菌がゼロと言うのはありえないという事だけです。

幸いパンという食品は、すべて熱により殺菌されている訳で、多少の雑菌がいても、即座にお腹が痛くなると言う事がないために、比較的問題にはなっていないのが実情ですが、もしパンが生ものであったなら・・・

天然酵母のパンで下痢続出・・・・となるのは間違いありません。

というよりも、保健所の認可がおりませんね!


口にする前から、すでにツ~ンと酸っぱい香りがしているパンがよくあります。

酢酸菌という聞くからに酸っぱそうな名前の菌が多くなると、パンは凄まじい酸っぱさにおおわれてしまいます。

天然酵母のパンによくある風景なのですが、種を継ぎ足したりするとよくあらわれる症状なのです。

しかし、そんな酸っぱいパンでも、だからこそ天然酵母なのだと言い張って販売しているお店と、それを馴れれば美味しいといって買い求めているお客様を見るにつけ、悲しい気持ちになります。

実は個人で作る場合は、種を継ぎ足すほど大量には作らないでしょうから、あまり失敗はないのが天然酵母なのです。

しかし、お店になるとそこそこ売れますので、このようなことになる場合が多いのです。

天然酵母も、ホシノ天然酵母のように基本から作り方が書かれていて、尚且つ安定が保証されている物なら、何の問題もありません。

でも、そのホシノ天然酵母でさえも、使い方を間違えると酸っぱくなるのです。

天然酵母のパンを作る事自体は誠に結構な事だと思いますが、軽はずみに手を出せるほど簡単なものではないと言う事だけは言わせていただきたいと思います。

しっかりとした技術と知識を持ち合わせたお店を選んで買わないと、

安全を買うつもりが雑菌を買っていた

なんてことになります。

イースト菌が、パンを発酵させるのに必要な酵母菌の集合体であるとするならば、

天然酵母は、使用する素材によって発酵過程に発生する副産物の香りの違いをかもしだすことの出来る、旨味と風味をミックスした酵母菌であると言えると思います。

ただし、菌数が少ないので発酵に時間がかかる。

と言う事は、別に安全とか安心とか言う問題ではなく、

両方を併用していい所を生かすと言う考え方になれば・・・・・

実際そのようにプラスアルファの風味を添加すると言う意味で天然酵母を使っていると言うお店もあります。

実に素晴らしいと思います、その片寄らない考え方・・・・

さて、皆様はどのようにお考えでしょうか???






関連記事

最終更新日 : 2023-07-12

* by 渡邉
こんにちは、渡辺と申します。ブログ、参考にさせていただいています。私は、パン教室でイーストパンを習っていました。でも、ふかふかすぎるなあ、また市販のパンは甘すぎるな。と思い天然酵母に手を出しました。水と果物だけで、粉を膨らませることが出来て面白いな。と感じています。でもかなりの確立で酸味パンになります。乳酸菌ならまあ体にはいいかな。と思い食べてしまっています。自家製酵母の乳酸菌はヨーグルトみたいに何億も乳酸菌ははいっているかはわかりませんが。酢酸菌の酸っぱさの可能性もありますしね。乳酸菌と酢酸菌の味に違いはありますか?もしご存知でしたら、お返事いただきたいと思います。

渡邉様、コメントありがとうございます。 * by しずかな朝
乳酸菌も酢酸菌も、またはその他の数えられない菌も、全て一緒になっていますので、どれがどの菌の味かと言うような事は難しかろうと思います。

味が特別におかしくない場合でも、お腹を壊す事もあるでしょうし、それはパンに限った事ではありません。

ちょっとした事で、私達は見えない菌をたくさん食べさせられているはずですが、だからと言ってすぐにどうと言う事でもない。

それは、身体の中にも菌がいて、総合的に色々な役割があり、私達の知らない所で時には戦い、時には負けてしまったりしているのかもしれませんね。

いずれにしても、口に入れるのに抵抗があると言うような味香りでなければ、気にする事はないと思います。

ただし、あくまで自己責任での話ですよ。

天然酵母でお腹を壊したら * by うさ
初めまして。
ベーカリー専門家の記事に辿り着いて、とても勉強になり助けられました。

今回街のマルシェで初めて「自家製天然酵母パン」(軽井沢Oオーパン)を購入しました。「添加物が一切入ってないので体に良い。」「万平ホテルで販売」との説明に惹かれて、高いお買物でしたが、旅行にも行けない分現地の名物?を楽しもうと…。

ところが、翌日早速軽くトーストしてサンドイッチにしましたが、数時間後激しい下痢になってしまい、原因を調べていたところ、こちらに辿り着きました。

ご説明の一つ一つにとても納得!天然酵母→雑菌を含むとは知らず、後悔し勉強不足を反省しました。

残り9割まだあるのですが、
良く加熱したら安全でしょうか?それとも天然酵母自体に体が慣れてないだけなのか?処分した方が良いのか?悩んでいます。

[小麦粉・砂糖・天然酵母・植物性油脂・脱脂粉乳・卵・イースト]
・賞味期限表記は6月(1週間持つとのこと)
・Oパンは、調べたところ閉店している(万平ホテルへの納品のみ)で問合せ出来ず。

アドバイスを頂けましたら大変有り難く思います。どうぞ宜しくお願い致します。


※非公開の方が適切であれば、お任せ致します。

Re: 天然酵母でお腹を壊したら * by しずかな朝
うささん、こんにちは

怖い思いをしましたね。しかし以外にも多くの人がお腹を壊していても気がつかずにいると思います。
菌の世界というのは肉眼では見えませんから、パン屋さんも味や香りでしか判断はできません。
仮のそれで納得の行くパンが出来たとしても、通常のイーストパンよりも多くの種類と量の何かしらの菌を含んでいることが多く、その菌によって特有の美味しさを出している反面、通常はあまり取り入れることのない菌をお腹に入れることでビックリしてしまい下痢を起こすということが多いのです。
この菌の数というのも食品衛生の観点からどれくらいまでなら許せるのかは明確な決まりはなく、(時間の経過とともにどんどん増えてしまうからです)仮に今計測したらかなり多いことは確かでしょう。しかしそれが総合的に人体に悪影響を及ぼすかというと、それは過敏な人とそうでない人ではかなり違うという程度のものでしかない場合が多いでしょう。
天然酵母と言っても、大きな工場で作られているものでしたら生菌検査を毎日行いますのでまずは安心なのですが、個人レベルのお店ではどこにどれだけの菌がいるのかすらわかりませんから、敏感な人、そして子供にはちょっときついかもしれません。
しかし面白いもので何度か食べていれば免疫ができます。
つまり腸内環境改善には意外と雑菌も一役買うのです。
とまあ脅かしはここまでにして、とりあえず今回必ずしも雑菌における下痢であるかどうかは判断が出来ませんし、大半は食べ合わせによるものだと判断できます。
生のパンを切って香りをかぎ、少量口に入れてみて「まあ美味しいかな」と思えれば、それは人体が容認しているということですから食べても大丈夫です。
反して違和感を感じたらそれは人体が拒否を示している証拠ですからやめたほうが良いでしょう。
己の嗅覚と味覚というのが最善の検査キットであると思って大丈夫です。
何度か食べていれば徐々に馴れていくと思いますよ。
菌の世界というのは何百万とか何億個という世界ですから、数はどうでもいいのです。
下痢症状の度合いと、鼻センサー、そして今なら免疫力アップを目指して食べてみてはいかがでしょうか。

腸内環境と免疫力アップに期待 * by うさ
貴重なアドバイスありがとうございます!
香りも味も良いのに…と処分するには残念でしたので、ご説明に納得とても良く分かりました。

「何度か食べていれば免疫ができます。」
「腸内環境改善には意外と雑菌も一役買う」と知り、安心しました。チャレンジしてみようと思います。

人体が容認しているかどうかの見方も、勉強になりました。珍しい物は食べたがらない慎重な家族だと、お腹を壊したら即中止!となりがちだったので…。
「己の嗅覚と味覚というのが最善の検査キットであると思って大丈夫」との言葉に、勇気をもらいました。

何度か食べて徐々に馴れていくか、お腹の具合と試しながら、酵母菌の力に信頼して〈免疫力アップを目指して〉みようと思います。

お忙しい中詳しく教えていただき、本当に感謝致します。ありがとうございました。


Comment-close▲

Comment







管理者にだけ表示を許可

こんにちは、渡辺と申します。ブログ、参考にさせていただいています。私は、パン教室でイーストパンを習っていました。でも、ふかふかすぎるなあ、また市販のパンは甘すぎるな。と思い天然酵母に手を出しました。水と果物だけで、粉を膨らませることが出来て面白いな。と感じています。でもかなりの確立で酸味パンになります。乳酸菌ならまあ体にはいいかな。と思い食べてしまっています。自家製酵母の乳酸菌はヨーグルトみたいに何億も乳酸菌ははいっているかはわかりませんが。酢酸菌の酸っぱさの可能性もありますしね。乳酸菌と酢酸菌の味に違いはありますか?もしご存知でしたら、お返事いただきたいと思います。
2013-04-07-12:49 * 渡邉 [ 編集 * 投稿 ]

渡邉様、コメントありがとうございます。

乳酸菌も酢酸菌も、またはその他の数えられない菌も、全て一緒になっていますので、どれがどの菌の味かと言うような事は難しかろうと思います。

味が特別におかしくない場合でも、お腹を壊す事もあるでしょうし、それはパンに限った事ではありません。

ちょっとした事で、私達は見えない菌をたくさん食べさせられているはずですが、だからと言ってすぐにどうと言う事でもない。

それは、身体の中にも菌がいて、総合的に色々な役割があり、私達の知らない所で時には戦い、時には負けてしまったりしているのかもしれませんね。

いずれにしても、口に入れるのに抵抗があると言うような味香りでなければ、気にする事はないと思います。

ただし、あくまで自己責任での話ですよ。
2013-04-07-16:08 * しずかな朝 [ 編集 * 投稿 ]

天然酵母でお腹を壊したら

初めまして。
ベーカリー専門家の記事に辿り着いて、とても勉強になり助けられました。

今回街のマルシェで初めて「自家製天然酵母パン」(軽井沢Oオーパン)を購入しました。「添加物が一切入ってないので体に良い。」「万平ホテルで販売」との説明に惹かれて、高いお買物でしたが、旅行にも行けない分現地の名物?を楽しもうと…。

ところが、翌日早速軽くトーストしてサンドイッチにしましたが、数時間後激しい下痢になってしまい、原因を調べていたところ、こちらに辿り着きました。

ご説明の一つ一つにとても納得!天然酵母→雑菌を含むとは知らず、後悔し勉強不足を反省しました。

残り9割まだあるのですが、
良く加熱したら安全でしょうか?それとも天然酵母自体に体が慣れてないだけなのか?処分した方が良いのか?悩んでいます。

[小麦粉・砂糖・天然酵母・植物性油脂・脱脂粉乳・卵・イースト]
・賞味期限表記は6月(1週間持つとのこと)
・Oパンは、調べたところ閉店している(万平ホテルへの納品のみ)で問合せ出来ず。

アドバイスを頂けましたら大変有り難く思います。どうぞ宜しくお願い致します。


※非公開の方が適切であれば、お任せ致します。
2022-06-04-17:39 * うさ [ 編集 * 投稿 ]

しずかな朝 Re: 天然酵母でお腹を壊したら

うささん、こんにちは

怖い思いをしましたね。しかし以外にも多くの人がお腹を壊していても気がつかずにいると思います。
菌の世界というのは肉眼では見えませんから、パン屋さんも味や香りでしか判断はできません。
仮のそれで納得の行くパンが出来たとしても、通常のイーストパンよりも多くの種類と量の何かしらの菌を含んでいることが多く、その菌によって特有の美味しさを出している反面、通常はあまり取り入れることのない菌をお腹に入れることでビックリしてしまい下痢を起こすということが多いのです。
この菌の数というのも食品衛生の観点からどれくらいまでなら許せるのかは明確な決まりはなく、(時間の経過とともにどんどん増えてしまうからです)仮に今計測したらかなり多いことは確かでしょう。しかしそれが総合的に人体に悪影響を及ぼすかというと、それは過敏な人とそうでない人ではかなり違うという程度のものでしかない場合が多いでしょう。
天然酵母と言っても、大きな工場で作られているものでしたら生菌検査を毎日行いますのでまずは安心なのですが、個人レベルのお店ではどこにどれだけの菌がいるのかすらわかりませんから、敏感な人、そして子供にはちょっときついかもしれません。
しかし面白いもので何度か食べていれば免疫ができます。
つまり腸内環境改善には意外と雑菌も一役買うのです。
とまあ脅かしはここまでにして、とりあえず今回必ずしも雑菌における下痢であるかどうかは判断が出来ませんし、大半は食べ合わせによるものだと判断できます。
生のパンを切って香りをかぎ、少量口に入れてみて「まあ美味しいかな」と思えれば、それは人体が容認しているということですから食べても大丈夫です。
反して違和感を感じたらそれは人体が拒否を示している証拠ですからやめたほうが良いでしょう。
己の嗅覚と味覚というのが最善の検査キットであると思って大丈夫です。
何度か食べていれば徐々に馴れていくと思いますよ。
菌の世界というのは何百万とか何億個という世界ですから、数はどうでもいいのです。
下痢症状の度合いと、鼻センサー、そして今なら免疫力アップを目指して食べてみてはいかがでしょうか。
2022-06-05-04:56 * しずかな朝 [ 編集 * 投稿 ]

腸内環境と免疫力アップに期待

貴重なアドバイスありがとうございます!
香りも味も良いのに…と処分するには残念でしたので、ご説明に納得とても良く分かりました。

「何度か食べていれば免疫ができます。」
「腸内環境改善には意外と雑菌も一役買う」と知り、安心しました。チャレンジしてみようと思います。

人体が容認しているかどうかの見方も、勉強になりました。珍しい物は食べたがらない慎重な家族だと、お腹を壊したら即中止!となりがちだったので…。
「己の嗅覚と味覚というのが最善の検査キットであると思って大丈夫」との言葉に、勇気をもらいました。

何度か食べて徐々に馴れていくか、お腹の具合と試しながら、酵母菌の力に信頼して〈免疫力アップを目指して〉みようと思います。

お忙しい中詳しく教えていただき、本当に感謝致します。ありがとうございました。

2022-06-05-22:44 * うさ [ 編集 * 投稿 ]