そこで、自家製の冷凍生地を作って、オリジナリティーを出しましょう。
まずは配合ですが、冷凍生地の場合、冷凍保管中に冷凍障害によりグルテンが損傷してしまいますので、損傷しても大丈夫なように、少し強めの粉を使うと失敗しません。
強力粉80%に薄力粉20%程度であった場合、強力粉のみにするとか、最強力粉を30%程度配合するなどして、冷凍障害に対応できる生地にします。
イーストは、生でもインスタントでも構いませんが、二割ほど増量してください。
そして、忘れてはならないのは、何と言っても冷凍生地用の改良材です。
これは、各社発売されていますので、すぐに手に入ると思います。
恐らく一番有名で、かつ一番利用されているのが、オリエンタルのドウジャストでしょう。
配合量は説明書どおりですが、大抵は1%程度で2週間ほどの冷凍に対応できます。
次に生地作りですが、ミキシングは硬めにスタートし、しっかりと捏ねていきます。
肝心なのが捏ね上げ温度で、高くても24℃、出来れば20℃前後で捏ね上げてください。
水を冷やすだけでなく、粉も冷やさないとなかなか20℃にはならないのでご注意ください。
十分に捏ねた生地は、発酵をとらずに、ただちに分割します。
分割重量は、大きくても80g程度にしないと、安定しません。
小さい方が安定しますので、40gから50gがお奨めです。
150gのパンを作りたいときは、成形の時に、50gの生地を三個使えばよい事になります。
分割した生地は、焼成用の6取り天板か、あれば冷凍庫用のトレーなど、金属の方が良く冷えるので、番重などは使用しないで下さい。
そこにビニールをしいて生地を間隔を開けて並べ、天板ごと裸のまま冷凍庫へ入れます。
急速冷凍庫があればベストですが、もしあまり冷えない冷凍庫なら、沢山の量を入れすぎないように注意してください。
完全に冷えたら、厚手のビニールに入れて、段ボール箱で保存します。
勿論そのまま天板のまま保存しても構いませんが、自店の設備状況に合わせて、とにかくいかに早く生地玉をマイナス18度以下にもっていくかが、冷凍生地の良し悪しを左右します。
通常購入の冷凍生地は、数ヶ月保存のきくように製造されていますが、そのように数ヶ月持たせたい場合は、イーストや塩をミキシングの後半に入れたり、イーストや改良材の量も、かなり増量することになりますが、一般ベーカリーでは、そんなに保存させる必要はないと思いますので、この作り方で十分だと思います。
以上のポイントを守っていれば、配合そのものは何を配合されても問題ありません。
しいてあげるとするならば、糖分が多い方が持ちは良いので、つまり甘い生地の方が冷凍生地には向いているといえますね・・・・
逆に、フランスパンなどの無糖生地は、キメの細かいフランスパンになり、決しておいしいパンはのぞめないでしょうから、止めた方がいいと思います。
そうそうもう一つだけ・・・・
ここで言うインスタントイーストとは、加糖用のことで、フランスパン用の無糖用インスタントイーストでは冷凍生地は難しいので、付け加えておきます。
2023年追記無糖用インスタントイーストでは難しいというのが当時の認識でしたが、その後フランスパンも冷凍生地で美味しく出来ないか試行錯誤を繰り返し、2023年とうとう開発に成功しました。以下のリンクよりそちらの記事を御覧ください。
冷凍生地でもおいしいフランスパンが出来ました。
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最終更新日 : 2023-07-08
前々から疑問に思っていた事を聞かせてください
教えていただけたら幸いです
冷凍で保存するイコール酵母の活動をとめるという事だと思いますがマイナス18℃じゃないと完全に活動停止しないという事ですか?
素人考えで申し訳ないですがマイナス3℃4℃とかの微妙に冷凍されてるかされてないかくらいの方が酵母にも生地というかグルテンにもいいと思うのですが
いつも店のドゥコンもこんなに凍らせないといけないのかなぁ、発酵がとまるギリギリの温度の方がパンにいいんじゃないのかなぁと感じてしまいます