ストレート法で作られたパンは、小麦の風味が強調され、香ばしいクラスト(パンの表皮)になります。
本来はフランスパンなどのいわゆるハード系のパンに良く使われる製法ですが、現実にはあらゆるパンの製法をこのストレート法で行っていると言っても過言ではないでしょう。
20年以上前のオーブンフレッシュベーカリー(焼きたてパン屋)がまだ始まったばかりの頃には、多くの製法が用いられていましたが、パンの値段は据え置きのまま、人件費はどんどん上がっていき、結局パン作りに時間がかけられなくなってしまいました。
冷凍生地を始めとするほとんどのパン作りに、時間をかけることが難しくなってしまったのです。
しかし、ストレート法と言っても、簡便法に代表されるようなイーストや改良材をたくさん配合して発酵時間を短縮するやり方がある一方、フランスパンに代表されるような発酵時間をなるべく長く取ることで旨味を引き出し、ストレート法の持ち味を生かしたやり方を行っているベーカリーもあります。
一口にストレート法と言っても、配合や発酵時間を工夫する事で、オリジナリティー溢れる独自のパンを作る事が出来るのです。
その為には、原材料それぞれの持ち味と、理論に裏付けされた配合バランスを学ばなければなりません・・・・・・・ということで、他のカテゴリを見て、しっかり勉強してくださいね

ここでは、ストレート法の良い所と悪い所を簡単に解説しましょう。
ではまずフランスパンをストレートで作る場合はどうでしょう?
フランスパンの魅力は何と言っても香ばしい表皮です。 小麦の旨味と香りを最大限に生かすためには、ストレート法で発酵時間を長めに取り、発酵から来る旨味と小麦粉本来の風味をかもし出す事が大切でしょう。
もし、フランスパンを中種法で行う場合、長時間発酵から来るアルコール臭が引き立ってしまい、悪く言うと ”お酒臭いパン” になる恐れがあります。
また、焼成後にはややソフト感が出て、パリパリ感ではなくふかふかしたフランスパンになります。
この様に、長時間発酵が全てのパンに有効かというと、あながちそうでもないのです。
どのパンにはどの製法が向いているのだろうか?
・・・・どうです!少しは興味が湧いてきましたか?
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最終更新日 : 2023-07-10