いつもたくさんの質問を送って頂き、有難いと思っています。
エっ・・・それってイヤミかって????
とんでもありません・・・本当に有難いと思っているのです。
なぜなら、問題が解決した際の喜びは、私自身の喜びでもあるからです。
人生で、他人から感謝されることほどやりがいのある事はないと私は思っています。
ちっぽけな自分が人の為になれたと思える瞬間・・・・
ただのちっぽけではなく、少しましなちっぽけになれた気がして、幸せな気持ちになります。
この仕事を続けて来て良かった・・・・
まさに一心不乱に後先を考えずにきたこの数十年。
道は正しかったのか間違っていたのかは解りませんが、とりあえず人に喜びを与えることが出来る知識と経験と環境に巡り合えた事を、心から感謝したい気持ちです。
さて、今回のテーマなのですが、質問力とあえて名づけました。
なぜ ”力”が付くのかと申しますと、質問する事というのは、実は大いなる技術だと思うからなのです。
私自身も、自らを磨く為に質問を多用するタイプの人間ですので、質問の仕方によって解答そのものが大きく変わってくる事や、解答者をもあやつることができる事を知ると、思わぬ収穫を得る事が出来ると言う実感を持っているからなのです。
いつも皆様から質問のメールが来るたびに思う事があります。
それは、もったいないな~ と言う事なのです。
いったい何がもったいないのか????
例えばこんなメールが非常に多く来ます。
一行で終わってしまう質問で・・・・
質問があるのですが、ベーグルがどうしても上手く出来ません。何かコツみたいな物があれば教えていただけないでしょうか?
いつも読んでいます。 食パンに挑戦したいのですが、どういう型を揃えれば良いのでしょうか?
はじめまして、焼成温度について質問させて下さい。 食パンはやはり200℃よりも210℃位の方が上手く焼けるのでしょうか?
こんな感じで、とにかく短いのです。
短いメールと言うのは、全体の7割くらいはそんな感じなのですが、もし皆様が答える方の立場だとしたら、いったい何をどう答えたら良いか解りますでしょうか???
始めは返事をもらえるかどうかすら解らないので、ジャブのつもりで短めに・・・なのかもしれませんが、この文面では返答しようがありません。
結局、もう少し解り易く状況をお聞かせ下さいと返答する事になります。
すると、今度は2行程度で、内容もあまり変わりがないメールが再び来たりします。
こうなるともうアウトです。
状況も配合も設備も年齢性別も何も解らない状態で、お答えできる事はありませんと返信すると、大抵はそのままで終了となります。
恐らくはアドレスを間違って入力される方などの場合は、メールそのものが帰ってきてしまいます。
そんな場合は、こちらからはどうする事も出来ませんので、ひたすら待つ事になる訳ですが、何故か二度とメールは来ないのが実情です。
せっかく送ったのにしかとかよ!!!
そう勘違いされて怒ってしまったのでしょうかね(~_~;)
いずれの場合にも思う事があります。
それは、聞き方の技術を知っていないと言う事なのです。
例えばご近所の方と道ですれ違う時に、良いお天気ですね~ と言ったとすると、大抵の場合相手からは
そうですね~ とか 本当に良いお天気ですね~と返ってくると思います。
その時に、どちらかにお出かけですか?と尋ねれば、大抵の場合は ちょっと買い物に・・・とか、子供を迎えに行くんですよ~ みたいな返答が返ってくるはずです。
聞く方と答える方の双方に共通認識があるテーマなら、大抵の場合はこのような会話が成り立ちます。
しかし、はじめて送られてきたメールで、しかも相手が男なのか女なのかも解らず、技量や使用している材料すら解らず、主婦の方なのかパン屋さんなのかも解らない状態で、はたしてどのような返答方法があると思いますか?
まさに雲をつかむような話ですよね。
質問力というのは、まず相手に自分の状況をきちんと解ってもらうことから始めなければなりません。
それによって、その相手にはどう言う手法が向いているか、どうアドバイスする事が適切なのかを解答者が判断出来るからです。
つまり、アドバイス出来るだけの材料や資料というものをまずは相手に公開し、こんな立場で出来る事がるとすれば何なのかを訪ねれば、返答も速やかになると思うのです。
相手の置かれた状況が解らずして、適切なアドバイスはあり得ないと言う事を、この場を借りて申し上げておきたいと思います。
そして、私が思う質問力の最大の技術というのは、相手を答えたくなるような気分にさせると言う事なのです。
私が講習会や研修会などに参加した場合に良く使う手法があるのですが、それはまず数人の人の質問のやり取りを聞く事なのです。
そのやり取りの内容や、講習中の講師の発言を思い出しながら、その講師がどの分野が得意で、そもそも質問を受ける事が好きなのか嫌いなのか、自分の事を話したいタイプかそうでないかなどを判断します。
そしてすかさずいくつかの質問をする訳ですが、その際には例えいかなる返答であったとしても、大きくうなずくのです。
な~るほど~~!! 解りました、どうもありがとうございます・・・・
とても勉強になります。 できればもっとお聞きしたい・・・・
そんな表情で大きくうなずくのです。
すると、その後に数人が質問をした際、返答する時に何故か必ずこちらを向いて話してくれるようになるのです。
これが、講師の方に好かれる質問者の態度なのです。
講師とはいえ、参加者はほとんど見ず知らずの人達です。
皆業界の人なのですから、少しでもいい加減な事を言うと、舐められてしまいます。
そんな時、あなたに教わりたい・・・みたいな顔をしている人がいたら、誰でもそちらを意識して話したくなるものです。
心細さを表面に出せない時ほど、理解者を求めたくなるのが人間というものなのかもしれません。
と言う事でこれでつかみはオッケー、後は休憩時間を待ちます。
休憩時間になったら、すかさず先程の解答のお礼と、内容の素晴らしさを伝えに行くのです。
そこで話が合えば、時間が足りないほどの質問に答えてくれますし、講習内容とは関係ないような事まで、色々と聞く事が出来ます。
さらに、講習終了の際には、またお礼に伺うと、必ず名刺を頂けて、何かお困りの時はいつでも連絡下さいと言ってくれるのです。
そんな訳で、私はこの講師から何かを学びたいと思ったら、まずは学びたいのだと言う真摯な姿勢を相手に理解してもらうことから始めます。
相手の態度が真剣でなければ、それはすぐに先方にも伝わってしまうからです。
そもそも、仕事であっても面倒な事は誰もが嫌います。
それが仕事でなければ尚更の事、いったいどこに答える義務があるというのか・・・・
相手にそんな気持ちを抱かせてしまった瞬間、その人から何かを教わる事は不可能だと私は常に思っています。
人から何かを教わる自分は、確実に利益があると言えます。
しかし、教える方はもしかしたらただの時間のロスになるかもしれませんよね。
だとしたら、教えてくれる人にも利益をもたらすような質問の仕方が必要だとは思いませんか?
それがつまり、質問力の奥義なのですよ。
と言う事で、色々と私個人の質問力について書いてきましたが、これから質問を送って下さる方にお願いがあります。
メールの内容はどんなに長くなっても構いません。
ですので、出来るだけ詳しく、今置かれている現状をまずはお聞かせ下さい。
家庭で趣味でパンを作っていて何年経つのか、どの位焼いた事があるのか、教室で習った事があるのか、どの程度の物が作れるのか、器材はどう言うものを使用しているのか、原材料とレシピは・・・などを詳しく書いて頂けると、返答はより具体的になります。
パン屋さんなら、経験年数や器材やレシピや工房のレイアウトや工程や原材料や、生産能力や売上などもあれば返答が具体的になります。
ここまで明かしても、どうしても教えて欲しい・・・・そんな思いと、とりあえず聞いてみるか・・・みたいなメールでは、どちらが双方に利益をもたらすかをどうかお考えいただきたいのです。
時は金なりと言います。
時間をお金で買っても、有効に過ごしたいと思う現代にあって、質問力なしの質問に解決の糸口は無いと私は思います。
皆様はどうお考えでしょうか?
エっ・・・それってイヤミかって????
とんでもありません・・・本当に有難いと思っているのです。
なぜなら、問題が解決した際の喜びは、私自身の喜びでもあるからです。
人生で、他人から感謝されることほどやりがいのある事はないと私は思っています。
ちっぽけな自分が人の為になれたと思える瞬間・・・・
ただのちっぽけではなく、少しましなちっぽけになれた気がして、幸せな気持ちになります。
この仕事を続けて来て良かった・・・・
まさに一心不乱に後先を考えずにきたこの数十年。
道は正しかったのか間違っていたのかは解りませんが、とりあえず人に喜びを与えることが出来る知識と経験と環境に巡り合えた事を、心から感謝したい気持ちです。
さて、今回のテーマなのですが、質問力とあえて名づけました。
なぜ ”力”が付くのかと申しますと、質問する事というのは、実は大いなる技術だと思うからなのです。
私自身も、自らを磨く為に質問を多用するタイプの人間ですので、質問の仕方によって解答そのものが大きく変わってくる事や、解答者をもあやつることができる事を知ると、思わぬ収穫を得る事が出来ると言う実感を持っているからなのです。
いつも皆様から質問のメールが来るたびに思う事があります。
それは、もったいないな~ と言う事なのです。
いったい何がもったいないのか????
例えばこんなメールが非常に多く来ます。
一行で終わってしまう質問で・・・・
質問があるのですが、ベーグルがどうしても上手く出来ません。何かコツみたいな物があれば教えていただけないでしょうか?
いつも読んでいます。 食パンに挑戦したいのですが、どういう型を揃えれば良いのでしょうか?
はじめまして、焼成温度について質問させて下さい。 食パンはやはり200℃よりも210℃位の方が上手く焼けるのでしょうか?
こんな感じで、とにかく短いのです。
短いメールと言うのは、全体の7割くらいはそんな感じなのですが、もし皆様が答える方の立場だとしたら、いったい何をどう答えたら良いか解りますでしょうか???
始めは返事をもらえるかどうかすら解らないので、ジャブのつもりで短めに・・・なのかもしれませんが、この文面では返答しようがありません。
結局、もう少し解り易く状況をお聞かせ下さいと返答する事になります。
すると、今度は2行程度で、内容もあまり変わりがないメールが再び来たりします。
こうなるともうアウトです。
状況も配合も設備も年齢性別も何も解らない状態で、お答えできる事はありませんと返信すると、大抵はそのままで終了となります。
恐らくはアドレスを間違って入力される方などの場合は、メールそのものが帰ってきてしまいます。
そんな場合は、こちらからはどうする事も出来ませんので、ひたすら待つ事になる訳ですが、何故か二度とメールは来ないのが実情です。
せっかく送ったのにしかとかよ!!!
そう勘違いされて怒ってしまったのでしょうかね(~_~;)
いずれの場合にも思う事があります。
それは、聞き方の技術を知っていないと言う事なのです。
例えばご近所の方と道ですれ違う時に、良いお天気ですね~ と言ったとすると、大抵の場合相手からは
そうですね~ とか 本当に良いお天気ですね~と返ってくると思います。
その時に、どちらかにお出かけですか?と尋ねれば、大抵の場合は ちょっと買い物に・・・とか、子供を迎えに行くんですよ~ みたいな返答が返ってくるはずです。
聞く方と答える方の双方に共通認識があるテーマなら、大抵の場合はこのような会話が成り立ちます。
しかし、はじめて送られてきたメールで、しかも相手が男なのか女なのかも解らず、技量や使用している材料すら解らず、主婦の方なのかパン屋さんなのかも解らない状態で、はたしてどのような返答方法があると思いますか?
まさに雲をつかむような話ですよね。
質問力というのは、まず相手に自分の状況をきちんと解ってもらうことから始めなければなりません。
それによって、その相手にはどう言う手法が向いているか、どうアドバイスする事が適切なのかを解答者が判断出来るからです。
つまり、アドバイス出来るだけの材料や資料というものをまずは相手に公開し、こんな立場で出来る事がるとすれば何なのかを訪ねれば、返答も速やかになると思うのです。
相手の置かれた状況が解らずして、適切なアドバイスはあり得ないと言う事を、この場を借りて申し上げておきたいと思います。
そして、私が思う質問力の最大の技術というのは、相手を答えたくなるような気分にさせると言う事なのです。
私が講習会や研修会などに参加した場合に良く使う手法があるのですが、それはまず数人の人の質問のやり取りを聞く事なのです。
そのやり取りの内容や、講習中の講師の発言を思い出しながら、その講師がどの分野が得意で、そもそも質問を受ける事が好きなのか嫌いなのか、自分の事を話したいタイプかそうでないかなどを判断します。
そしてすかさずいくつかの質問をする訳ですが、その際には例えいかなる返答であったとしても、大きくうなずくのです。
な~るほど~~!! 解りました、どうもありがとうございます・・・・
とても勉強になります。 できればもっとお聞きしたい・・・・
そんな表情で大きくうなずくのです。
すると、その後に数人が質問をした際、返答する時に何故か必ずこちらを向いて話してくれるようになるのです。
これが、講師の方に好かれる質問者の態度なのです。
講師とはいえ、参加者はほとんど見ず知らずの人達です。
皆業界の人なのですから、少しでもいい加減な事を言うと、舐められてしまいます。
そんな時、あなたに教わりたい・・・みたいな顔をしている人がいたら、誰でもそちらを意識して話したくなるものです。
心細さを表面に出せない時ほど、理解者を求めたくなるのが人間というものなのかもしれません。
と言う事でこれでつかみはオッケー、後は休憩時間を待ちます。
休憩時間になったら、すかさず先程の解答のお礼と、内容の素晴らしさを伝えに行くのです。
そこで話が合えば、時間が足りないほどの質問に答えてくれますし、講習内容とは関係ないような事まで、色々と聞く事が出来ます。
さらに、講習終了の際には、またお礼に伺うと、必ず名刺を頂けて、何かお困りの時はいつでも連絡下さいと言ってくれるのです。
そんな訳で、私はこの講師から何かを学びたいと思ったら、まずは学びたいのだと言う真摯な姿勢を相手に理解してもらうことから始めます。
相手の態度が真剣でなければ、それはすぐに先方にも伝わってしまうからです。
そもそも、仕事であっても面倒な事は誰もが嫌います。
それが仕事でなければ尚更の事、いったいどこに答える義務があるというのか・・・・
相手にそんな気持ちを抱かせてしまった瞬間、その人から何かを教わる事は不可能だと私は常に思っています。
人から何かを教わる自分は、確実に利益があると言えます。
しかし、教える方はもしかしたらただの時間のロスになるかもしれませんよね。
だとしたら、教えてくれる人にも利益をもたらすような質問の仕方が必要だとは思いませんか?
それがつまり、質問力の奥義なのですよ。
と言う事で、色々と私個人の質問力について書いてきましたが、これから質問を送って下さる方にお願いがあります。
メールの内容はどんなに長くなっても構いません。
ですので、出来るだけ詳しく、今置かれている現状をまずはお聞かせ下さい。
家庭で趣味でパンを作っていて何年経つのか、どの位焼いた事があるのか、教室で習った事があるのか、どの程度の物が作れるのか、器材はどう言うものを使用しているのか、原材料とレシピは・・・などを詳しく書いて頂けると、返答はより具体的になります。
パン屋さんなら、経験年数や器材やレシピや工房のレイアウトや工程や原材料や、生産能力や売上などもあれば返答が具体的になります。
ここまで明かしても、どうしても教えて欲しい・・・・そんな思いと、とりあえず聞いてみるか・・・みたいなメールでは、どちらが双方に利益をもたらすかをどうかお考えいただきたいのです。
時は金なりと言います。
時間をお金で買っても、有効に過ごしたいと思う現代にあって、質問力なしの質問に解決の糸口は無いと私は思います。
皆様はどうお考えでしょうか?
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最終更新日 : -0001-11-30
なるほど… * by さと
私はパン製造歴15年ぐらいの現在パートの主婦です。来月小さなパン屋さんを開業します~いつも更新されるのを楽しみ!に拝見してます~いつもなるほど…とうなずいてます~私も質問したい事、助けてもらいたい事多々あるのですが…文章にした所で伝わらないよねぇ…と直接会って話が出来たらなぁ~と思う毎日です!これからもなるほど…と読ませていただきます。失礼しました。