それが原材料の適正保管。
当たり前のようで、なかなか的確に行うのが難しい原材料保管倉庫の整理整頓。
2007年、2008年度は、未曾有の食品偽装事件や、食の安全に関連した事件が発覚しました。
しかし、これはあくまで発覚した・・・・?のであって、発覚しない、つまり表ざたにはならなかったけれども、実際に起こっていて隠ぺいされた事件は、過去からず~とあったはずなのです。
この2年間の大手有名食品会社などによる汚染事件や偽装事件は、あくまでニュースになるからと言う事で、たまたまマスコミに取り上げられた訳ですが、では皆様の工房では、賞味期限切れの原材料を使用していないと断言できますか?
事前に発見できれば使用しないと断言できるかもしれませんが、使用した後で期限切れに気づき、”しまった・・・・でもまあしょうがないか!・・・・” なんてことはありませんでしたか?
この問題は、食品を製造する仕事に関わる全ての人の ”モラルや倫理” が問われる難しい問題です。
賞味期限が一日過ぎたからと言って、決して材料が腐っていると言うわけではありませんよね。
そのことは、恐らく製造者だけではなく、消費者も、そりゃそうだ・・・・・と思ってくれるでしょう。
事実、豆腐やら納豆やら肉やら、家庭で一日位期限が切れた物でも、自分の判断で使用しますし、それを家族にも食べさせるはずです。
理屈は製造業も家庭も同じなのに、製造業にとっては、賞味期限切れの原材料を使用する事は立派な法律違反となり、時にはお縄をちょうだいする事にもなるのです。
いくら製造責任者が、責任をもって品質を確認した材料であっても、違反は違反なのです。
じゃあ腐ってもいないものを捨てろというのか・・・・・? なにが環境問題だ・・・・?
どこまで行っても、堂々巡りの論理なのです。
決して決着のつかない論理を展開しても、法に触れる行為であるという事実は変える事ができません
ならば、私達が出来る事は、材料置き場の整理整頓をシステム的に行い、賞味期限が切れる前に使用すると言う事ではないでしょうか。
システム的と言っても、何も難しい事ではありません。
後から来た物を奥へ、古い物は前へ、新しい物は下へ、古い物は上へという当たり前のことを実行できるかです。
原材料の賞味期限チェックのチャンスは、大きく分けて2回あります。
それは、原材料が納品された時と、在庫を確認しながら発注する時です。
このどちらかの時に、必ず賞味期限をチェックする為のチェック表などを作っておけば、期限が比較的近いが、このままの使用頻度では期限内に使い切れないなどの判断がなされた場合は、その材料を使用するパンを沢山作って、フェアーを打つなり、今週のサービス商品にするなりして使用してしまう事が出来ると思います。
また、商品の変更や季節商品に使用した材料などは、大概中途半端に残り、倉庫のお荷物となります。
長期使用しない材料は、一番理想なのは、その材料を使った商品を期間限定商品として販売し、お金に変える事ですが、どうしてもそれが出来ない場合は、すみやかに廃棄することです。
そうしないと、いつも倉庫がいっぱいで、整理整頓する気にならないからです。
美味しいパンを作るお店の倉庫は、必ずと言って良いほど整理整頓が行き届いています。
美味しいパンを作れる人は、原材料のありがたみと大切さ を知っています。
面倒くさいより、ありがたいの心で、あなたのお店を繁盛に導く陰の立役者 ”材料倉庫”をいつも綺麗にしてあげましょう。
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最終更新日 : 2023-06-18