FC2ブログ

ベーカリーアドバイザーの部屋

パン作りのお悩み解決、超わかりやすくに挑戦しています。

Top Page › パン屋の経営学 › 衛生管理 › 衛生管理が行き届いていない場所 ベスト3
2017-12-10 (Sun)  05:55

衛生管理が行き届いていない場所 ベスト3

2017年も師走に入り、パン屋さんも慌ただしくも嬉しい毎日をお過ごしのことと思います。

今回はパン屋さんにとってはあまり触れてほしくない、そして買う側としては知る由もないパン工房の衛生管理について書きますが、新たな年を迎える前に今一度大いに点検し、出来ることならまっさらな気持で工房内衛生を見直していただけたらと思う次第です。

空・前・絶・後の~ 焼きたてパン屋人気が到来して久しく、今後もまだまだその人気は高まっていくものと推測される中、大手のパンも日々進化していることは皆様も周知の遠りで、冷凍生地ベーカリーですら相変わらずの人気を保ち続けていますよね。

どうぞしばらくはこのまま順調に行って欲しい・・・と切に願っている次第ですが、その反面、順調な時にこそ急に出てくることがあるのが、いわゆる ”食品事故” だと思うのです。

焼きたてパン屋さんがその件で叩かれるというようなことはあまり無いわけですが、もし大手で異物混入などがあると、それはそれは暫くの間かなりのダメージを受けることになります。

それだけに大手の衛生管理は徹底されている訳ですが、もしも焼きたてパン屋さんの工房内の衛生管理の現状がクローズアップされたらどうなるか???・・・そう考えると実に心配になってしまうのです。

私自身ももちろん焼きたてパン屋の出身であり、そこでの製パン生活が一番長かった訳ですが、その後大手工場を見学する機会があったり、中小企業の工場で作業したりする中で、衛生に関してはそれぞれかなり考え方や捉え方がちがうなと感じていました。

私達は常日頃から直感的にこのように捉えていることが多いと思うのです。

それは、

「手作りならなんか安心・安全ではないか」

「機械生産は添加物が多くてなんか味気ない」

業界関係者であるかどうか、パンにうるさいかどうかなどなど、勿論捉え方は人それぞれあるはずですが、ごくごくザックリとした捉え方としては、やはり手作りの方が作り手の顔が見える的な安心感や人間味などがプラスされて好印象を持たれることが多いと思うのです。

逆に、相変わらず機械生産というのは、どうしても添加物イメージや、なんとなく冷たい感じで捉えられやすい傾向にあるような気がしていますが皆様はいかがでしょうか。

数十年前のことですが、ヤマザキパンの工場を見学させていただいたことがあり、とても驚いたことを思い出します。

とにかく人が少ないのです。

機械生産なんだからそれはそうでしょ・・・と言ってしまえばそれまでですが、まるで体育館のような広い場所に人っ子一人おらずに、自動で成形され発酵を終え、そして焼成されたパンが室内をグルグルと回りながら冷却され、これまた自動で袋に入れられて配送部屋へ送られる。

そこでようやく人間がトラックへ積み込んでいく・・・・みたいな光景を見て、衛生という観点から見たらこれは完璧だと感じたものでした。

それはなぜかと言いますと、食品を作る工場あるいは工房内で一番不衛生なのは人間だからです。

髪の毛に汗に油にツバ、そして手には大量の雑菌が付着していますので、人間というのは衛生上かなり汚い生き物なのです。

しかしそんな人間が、しかも一番汚い手で作ったものが安心というレッテルを頂けていることに、何か微妙な違和感を憶えることもしばしばです。

作業の前に手を洗う人は多いと思うのですが、その手でほんの数分後には様々なものに触れながら私たちは作業をしています。

その時点から様々な雑菌をあちらこちらに移動させているようなものですので、食品衛生の観点からすれば、本来であれば最低でも1時間おきに手袋を変える位のことが必要で、事実大手では当然のごとく行われていることなのです。

しかも、一日の間に何度も機材の消毒を行ったりします。

私の知る限りの焼きたてパン屋さんの環境とは、あまりにも違いすぎて困惑しますし、そんなことが本当に必要なのかとか、だとしても焼きたてパン屋でそんなことができるのだろうかなどと考えてしまいますよね。

しかし、焼きたてパン屋さんであっても行っているお店ももちろん有るのです。

雑菌というのは目には見えませんから、別に気にするほどのことではないと感じる人もいれば、知ってしまえば、出来ることなら手作りでも手袋くらいはしてほしいと考える方もいることでしょう。

それによってお腹を壊すというようなレベルではないからこそ、今に至るまでに大きな事故はなく来れたわけですが、今後はそうはいかないと思います。

それは何故かといいますと、世の中全般が滅菌とか除菌が当たり前になってきている今、新しい雑菌というのはどんどん生まれて来ていますし、病原菌の繁殖力もどんどん強くなってきているからです。

”手作り” には、温かいイメージを持ちたくなりますが、それは衛生管理をしっかりと学んでいる人、あるいはお店に限ってのことで、もしかしたらかなり危険である可能性もあるということをしっかりと認識するべきだと感じます。

今まで何もなかったんだから特に問題はないだろう・・・と考えずに、今のうちに工房内の衛生管理についてはしっかりと責任を持つという姿勢で臨んでいきたいものだと考えます。

そこで今回は、パン工房における汚い場所・物ベスト3を取り上げておきますので、重点的に交換なり清掃なりを行ってほしいと思います。


まずは第三位  グリストラップの清掃

グリストラップは、工房関係者しか知らないかもしれませんが、洗い物や排水溝などの油が、直接下水に流れるのを防ぐ設備のことで、グリース(油)をトラップすると言う意味の設備のことを指します。

どこの工房にもほぼ必ず存在しており、しかも室内にありますから、そこの清掃をまめに行わないととんでもない異臭は発することになるのですが、そもそもがとても臭い場所ですので、どうしても数週間が数ヶ月へと、出来ることならやりたくない清掃場所第一位だと思います。

少なくても週イチで行ってさえおけば、そう臭いも出てきませんので、とにかく早いうちに行う習慣が大切だと思います。


次に第二位  番重

以外だと思いますが、どこのパン屋さんでも確実に使用しているはずの番重。

生地を分割した後のベンチタイムに、または生地を捏ねて寝かせるのに使用したりと、パン屋には欠かせない機材の一つなのですが、これを毎日清掃するというパン屋さんを私は知りません。

良いところ粉を払う程度で、数日前の生地が側面に付着したままという状況も多く見かけます。

番重に限りませんが、パン屋さんの工房では常に粉が空中を舞っていますので、至る所に粉が付着してしまいます。

ほんの数日でその粉に適度の湿度により水分が補給され、粉の表面にカビが発生していきます。

そんな毎日の中で、どんどん粉が上積みされていき、カビもまた上積みされていきます。

ですので、これもまた掃除機で吸い取っておくなどの習慣が必要ですし、番重に付着した生地はその日のうちに必ず取り、乾燥させておくことが必要です。

たまにはキチンと洗い、除菌しておく必要もあるでしょう。

番重の清掃までを行っているパン屋さんというのは大変稀だと思いますが、もしもO157などが進入することがあるとすれば、一番危険なのは番重ではないかと感じています。


次にいよいよ第一位  キャンパスシート

キャンパスシートとか取り布とかオーブンシートとか、生地を成形した後に乗せて発酵室へ入れる為の布になります。

これがほぼほぼカビだらけのお店が圧倒的に多いです。

それもそのはずで、パン生地をダイレクトで乗せるのですが、生地が布にくっつかないように粉を振って乗せたりしますし、それを湿度も有り温度も有る発酵室に直接入れるわけですから、カビにとっては最高に居心地の良い ”お布団” な訳です。

布ですから、いいところブラシで粉を払う程度しか清掃しようがなく、まずどこのパン屋さんに行ってもこれだけはカビだらけです。

パンの底にはしっかりとそのカビが付着した状態で焼かれますので、焼けたパンの底には ”焼成カビ” としてしっかり残っています。

焼成されているので、それによって死ぬようなことはまず無いわけですが、その量によっては腹痛を起こしたり、アレルギーを引き起こす原因になる可能性はあるでしょう。

発酵を終えて焼く前の状態でパンの底を見ると、しっかりと黒や緑の大きな点々が付着してくることがあります。

いくらその後に焼くからといって、私にはとても容認できませんし、少なくてもそのようなお店のパンは私は頂いても食べません。

この事実は、恐らくはパン関係者であれば誰でもが知っているはずですが、やはりどうしても特にクレームになるわけでもなく、事故の報告があるわけでもないということで、”見られるのはさすがにヤバイかもしれないけど、まあしょうがないか” で終わっているのが実情でしょう。

もし、見られるのはヤバイかもと感じている部分があるようでしたら、そんな気持でいるよりは、定期的に廃棄するとか、洗濯するという習慣を持って頂けたらと思います。

充分お解りのはずですが、風通しの良い場所やベランダなどがある工房でしたら、使用後に干しておくだけでもカビの発生を防ぎますから、シートだけではなく、それを乗せるベニヤ板なども定期的に乾燥させておくことをお薦めいたします。

忙しくて掃除の時間が作れない・・・という気持を私自身も随分感じてきました。

例えパンの価格を上げてでも、充分に清掃に時間を掛けられる人員配置を行うこと、そして衛生管理は ”手作りは安全だ” と自信を持って言えるようになるために絶対必要なのだという強い信念をもっていただいて、共に手作りブランドを守り抜いていきましょう。


関連記事

最終更新日 : 2017-12-10

* by とんぬら
その通りです。
しかも忙しいお店に限って綺麗だったりもしますよね。
中途半端な規模のお店一番汚い気がします。
そしてこれって、やはり責任者の性格が左右しますよね、アルバイトやパートさんはパンは積極的に学びたがりますが、清掃に関しては消極的です。‘出来ればしたくない’のオーラを感じます。
忙しいお店の責任者は、お客さんに支持されているだけのお店なので、それなりに責任がある、かつ、使える時間と従業員もいる。

この差は大きいですね。。。
わはしはAIBなるもので徹底的に教育されました。

* by -
自分の職場では毎日番重は清掃していますが、珍しいのですね!
この癖は大切にしたいです!

Comment-close▲

Comment







管理者にだけ表示を許可

その通りです。
しかも忙しいお店に限って綺麗だったりもしますよね。
中途半端な規模のお店一番汚い気がします。
そしてこれって、やはり責任者の性格が左右しますよね、アルバイトやパートさんはパンは積極的に学びたがりますが、清掃に関しては消極的です。‘出来ればしたくない’のオーラを感じます。
忙しいお店の責任者は、お客さんに支持されているだけのお店なので、それなりに責任がある、かつ、使える時間と従業員もいる。

この差は大きいですね。。。
わはしはAIBなるもので徹底的に教育されました。
2017-12-10-10:31 * とんぬら [ 編集 * 投稿 ]

自分の職場では毎日番重は清掃していますが、珍しいのですね!
この癖は大切にしたいです!
2017-12-10-13:31 * - [ 編集 * 投稿 ]