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2018-10-06 (Sat)  06:38

ブレンドとパンチについて・・・

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小麦粉のブレンドに関しては、強力粉に薄力粉をブレンドするというようなことは当然必要だとは思いますし実際に行っておりますが、同じ強力粉同士を何種類かブレンドするという考え方にはついていけていません。
より強くしたいのであればワンランク上のものをチョイスすればよいと考えますし、弱くしたいのであれば逆に蛋白の弱いものをチョイスすればよいので、なぜわざわざ複雑にいくつかの種類を入れる必要があるのか理解できません。
たくさんの種類をブレンドする人がいるようですが、そんなに必要なことなのでしょうか?

そうですね~

確かに過剰にブレンドを好む方がいるというのも確かかもしれませんよね。

ただ、必要かどうかはあくまで個人的な好みの問題なので、そこに意味があるかどうかというのも個人がどう考えるかと言うことだと思いますので、○○〇さんが必要としないのであれば無理に行うことはないと思います。

小麦粉のブレンドに関しては、人により考え方は色々あるのはもちろんの事でしょうが、大半は味とか口当たりというような、いわゆる独特なものを作り上げたいという気持ちから様々な小麦粉を混ぜて使うという選択をしていると思うのです。

つまり、グルテンの強さみたいなものだけではなく、むしろその小麦粉の持つ個性を合わせて、新しい個性を作りたいというイメージなのではないでしょうか。

私個人の意見としては、小麦粉をブレンドすることで一番何を得たいのかと言いますと、それはやはり総合的には味、そして風味、さらには口溶けとか歯ざわりと言ったような、噛んだ瞬間にどう感じてもらいたいかをイメージしてブレンドを行います。

ブレンドすることで本当にそんなに差がでるのか???と聞かれても、本当のところはわかりません。
もしかしたら自己満足の域なのかもしれませんが、明らかに違うと感じるからこそ行っているんだという人も多いはずです。

自分の作るパンに対しての思いが、小麦粉の選定にも、配合にも、製法にも、よりオリジナリティーを出すにはどうするべきかを問いかけてくる・・・

酵母しかり、種しかり、そしてブレンドしかりということなのではないでしょうか。

力の問題?だけではないということですね。


いつもくだらない質問ばかりして本当に申し訳ないとは思いつつも、やはりすっきりとしないと気が済まない性格なもので、今回も笑われるのを覚悟で質問させてください。

パンチってあるじゃないですか、でもそれって生地が硬いとどんどん高さばかり出てしまいますし、なんか生地が切れたりしますよね。なのでパンチをしたければ水を増やして柔らかくしないとできないと思うのですが、パンチのために水を増やすという考え方は正しいですか?

全く同じ(水以外)レシピの場合、水を増やしてパンチしたものと、そうでないものではどちらが美味しいパンになるとお考えですか?

水を増やさないもののとき、捏ねる時間を短くしてパンチを行った場合、よく捏ねてパンチをしなかったパンとどちらが美味しくなるとお考えですか?


いつも楽しい質問をありがとうございます。 とても良い質問だと思いますよ・・・いつもながら(笑)

ご家庭でのパン作りでパンチを行う方はあまりいらっしゃらないかもしれませんが、パンチに慣れていただくと、そもそもあまり捏ねる必要を感じなくなると言えます。

パンチの本来の目的は、ある程度発酵時間の長いパンで、比較的リーンなパンに新しい空気を抱き込ませながら発効促進とグルテン強化をはかりたいということなのですが、なぜそれが必要なのかと言えば、中力粉などの弱い粉を使うことが前提で、しかも少ない酵母量で長く発酵させたいからなのです。

つまり、一般的な強力粉などで作るパンでは、通常の発酵時間の過程で生地がダレたりすることも無く、しっかりと捏ねることができる強さをもっていますので、そもそもパンチの必要性はあまりないと言えるのです。

がしかし、それはしっかりと捏ねて、通常のイースト量で通常の発酵時間の場合になります。

手捏ね自体、今どきはあまり行われていないのかもしれませんが、ニーダーやパン捏ね機を使ってしっかりと捏ねる生地ならば、そもそもパンチはかえって邪魔な行為にあたるでしょうし、それでもパンチに耐える生地にしたければ、おっしゃるように水を増やして柔らかくすれば可能ではありますが、成形から焼成にかけての段階で意外と生地がダレてくる可能性があります。

過剰な吸水は、パンチのために行うのはやめた方が無難でしょう。

ただし、水が多めのほうがよしりっとりとしたパンになることだけは確かです。

パンチに慣れていただくと・・・と言うのは、あくまで私個人の家での話ですが、ホームベーキングの場合には、いかなる配合のパンであれ私はほとんど生地は捏ねません。

ポリ袋でシャカシャカしたら、あとはパンチで生地を作っていきます。

つまり、捏ねるのではなく混ぜるだけで、捏ねるという作業は「発酵時間とパンチ」にて行うのです。

この考え方は、捏ねるのは手では大変だし、そもそも捏ねるほど美味しくなくなるという経験から始まっていて、ならばミキシングは行わずに、発酵過程でパンチを数回行うことで最終的には滑らかな生地にしようという発想なのです。

ですので、おのずと発酵時間を延ばすためにイーストの使用量は少なめになりますし、余計な労力をかけずにソフトなパンを作ることができるので大変気に入っています。

せっかくの手作りなのですから、手のひらで生地の伸びや強さ、そして滑らかさなどを感じながら作る方が・・・というよりも余計なお金をかけたくないのが本音ですが(笑)

なんだか私事ばかりにかってしまいすみませんでした(;'∀')

パンチに興味をお持ちのようですが、いわゆるフランスパンなどの類以外では通常パンチは必要ないと言えますし、ましてやそのパンチを行いたいがためにあえて水を増やす必要性もあまり感じないというのが私の意見です。

質問にも書いてある通り、生地が切れたり、高さばかりが出てしまったり、コシが強くなりすぎておかしな膨らみ方のパンになることもありますので、フランスパン以外の通常配合のレシピの場合は無理にパンチを入れようとはしないことをお勧めします。

ちなみに私が行っている手作り手法は本来のパンチとは違って、たたんで揉むみたいなイメージなので誤解のないようにお願いします。

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最終更新日 : 2023-08-07

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