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ベーカリーアドバイザーの部屋

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2020-02-27 (Thu)  00:00

生地冷蔵のコツをつかもう・・・

生地冷蔵とか冷蔵生地とか低温熟成とか、なんとなく色々な呼ばれ方や扱われ方をしている冷蔵庫を使用した製法があるわけですが、あまり行っていないという方々にとっては一体何のことを言っているのか、解りにくいの極みですよね。

なんでも冷蔵庫へ入れれば低温熟成になるのか、熟成と発酵は同じなのかそれとも違うのか、長時間発酵と低温熟成というのは、どのように違うものなのか・・・・などなど、深く考えてしまうと実にややこしい部分があるのがこれらの呼ばれ方や扱われ方だと言えますが、その実態はとなると、実は個人個人バラバラで、しかも大した定義がある訳でもないのです。

ですのでまずは、人は人、自分は自分ということで、あまり惑わされることのないようにしましょう。

その上で今回説明していく製法というのは、パン生地を分割する前の段階ですべて冷蔵庫へ入れてしまう 生地冷蔵 という製法について書いていきたいと思います。

冷蔵1


「生地冷蔵なんだから、生地を冷蔵するんだろ」・・・おっしゃる通りそうなのですが、実際にはうまくいかずに諦めてしまう方も多いのがこの製法なので、今回はそのあたりのコツを中心に説明していきますので、是非習得していただいて武器としていただけたらと思います。

このような製法を行おうと考えた時、まず気になるのは原材料とか配合がどう変わるのかだと思いますが、そのあたりはあまり気にする必要はありません。

いつもの小麦粉にいつものイースト、そして改良剤を使っていても使っていなくても、それもいつも通りで構いません。

どのような原材料であれ配合であれ、それなりにコツさえつかめばうまくいきますので、まずはどの点が一番重要なのか、どこをしっかりと見極めれば良いのかだけに集中して話を進めていきます。




焼き立てパン屋さんにおいてはほぼ6取り天板、そしてご家庭においてはタッパーやアルミトレーなどを使うことが多いと思いますが、そこでまず初めのコツとなるのが、

1.入れ物に対する生地の量をつかみましょう

ということです。

入れ物に対して生地量が多すぎると、当然ながら生地中心部まで冷えるのに時間がかかることになり、必要以上に膨らんできてしまう、そして結果として発酵力を余計に使ってしまうことで、オーブンでの伸びの悪さに繋がってしまうのです。

逆に少なすぎてしまうと、今度はすぐに冷えるし、しかも生地は入れ物の中で膨らみ放題伸び放題になってしまうので、これまた発酵力を余計に使い果たしてしまいますし、そのおかげで発酵臭の強すぎるパンになってしまうのです。

入れ物に対して丁度良い生地の量というのは、入れ物の中で膨らみが落ち着いてきた時点で、やや蓋を押し上げるくらいの量がベストとなります。

天板などの場合は、天板の高さギリギリに生地がパンパンに入っている状態がベストと言えます。

天板の中に空洞があったり、ビニール袋に生地上部が到達していないような少ない量だと、うまくいきません。

この丁度良い量で一晩を過ごすことが出来れば、あとはその半分になっても三分の一になっても問題はありません。

通常のストレート法であっても、生地の量が収納ボックスに対して多すぎればあふれてしまうでしょうし、少なすぎれば横にダレたようになりますよね。

冷蔵する場合はこれがさらにシビアになりますので、まずはご自分が使用する入れ物に対して、ややパンパンになる程度に入れながらも、あふれることのないくらいの量というものをしっかり見極めましょう。

では次のコツですが、それは


2.冷蔵中は膨らませてはいけない


になります。

丁度良い生地量で冷蔵から数時間が経過すると、生地全体が冷えてきて一旦膨らみが落ち着いてくると思います。

その段階で必ず一度、しっかりと潰して見た目のガスを抜いてください。

プシュープシューという音が心地よいと思いますが、じっくりと膨らんできて、かつ生地が全体的に冷えてきてやや落ち着きましたよという時点で、とにかくしっかりとガスを抜くことがとても大切なのです。

この段階で非常によくふくらんでしまっているままを冷蔵し続けますと、中心部ほど発酵が進み、生地内が実に不安定になります。

この不安定こそが冷蔵法の大敵となるのです。

中心部も外側も、同じような状態で、しかも同じような環境で保存してあげることがとても重要なのです。

そのようにして冷蔵で一晩過ごした生地を翌日以降一部を使ったりすると思いますが、残りの生地に対しても常に含まれているガスは抜くようにしてください。

そしていよいよ冷蔵された生地を分割しますが、この時に細かい気泡が生地に含まれているという感覚があるか、冷たいながらもフワッとしたような肌触りがあるかどうかを感じてほしいのです。

そうではなくてベタッとしている、あるいはガスの含みが弱いと感じるようでしたら、イーストを少し増やしてみる、グルテンの強い粉を使ってみる、もう少ししっかりと捏ねてから冷蔵する、冷蔵前の発酵時間を長くする、生地をやや硬くする、捏ね上げ温度をやや上げてみる・・・などの、いわゆる生地をより元気にさせるような行動を試してみて下さい。

逆に分割の際にガスの含みが多すぎる、気泡が大きすぎる、やや乾燥している気がするなどの場合は元気がありすぎた可能性がありますので、上記とは真逆の対策を行ってみて下さい。

さて、分割をした生地の感触を感じながら丸目をしたのち、いわゆるベンチタイムをとってから成形にはいるわけですが、この時に復温について悩むところだと思うのです。

それは、どの位ベンチタイムを取るべきなのか??とか、温かいところにいれて温度を上げた方が良いというけど、何度が最適なのか、その際の時間というのはどう考えるべきなのかと、考えてしまいますよね。

そこで次のコツがこちらです。


3.大切なのは復温ではなく感触


う~ん、これはなんか分かりにくくなってきたような・・・

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いえいえ、そんなことはありません(笑)

何事も一番大切なのは作る人の感性ですから、自分が感じる感覚というものをより鍛えて、そして何が起きても自分の感性を信じれるようになることが実はとても大切なことなのです。

どういうことかと言いますと、本来はイースト的には復温してイーストの活動を復活させてから作業しないと、安定した発酵は得られないということになるわけですが、そうは言っても実際には復温をしたがゆえに過発酵になってしまったというようなケースが実に多いのです。

なぜそのような非科学的なことが起こるのかと言いますと、そもそも生地の状態を100%毎回同じに作ることが出来ているかというと、それは難しいという点。

数を重ねてくるとつい感覚のみで作ろうとしてしまいがちですが、実はまだその感性は完成されていない状態で、自分は同じだと思っているけれども実際はかなり生地状態が毎回違うということなのです。

そんな不安定な生地状態なのにもかかわらず、復温だけは何度で何分というようにまるでタイマーでもかけているかの如く時間と温度だけに頼ってしまっている場合が多いのです。

そうなりますと、必然的に毎回発酵力の違う生地となり、いつもの復温でうまくいくときもあればそうでない時もある、なんでだろう・・・もういいや・・・となってしまうのです。

生地を冷蔵して低温で発酵させるというのは、ある意味では簡単なことですが、その反面どのような生地状態で冷蔵したかによって大きな違いが出てしまうものなのです。

したがいまして、ここで一番重要なのは、翌日に分割した生地の状態を見極めて、その後の作業を行うということなのです。

もし仮にこの時に生地がべたつき気味だったり、あるいはなんか膨らみが弱いかなと感じるようなら、復温はしっかりと行うべきですし、なんならもう一度丸めなおして、パンチをしてあげたような状態にすることで、元気な生地に生まれ変わることが出来ると思います。

ようするに、何となく元気がなかった場合は、その後に元気になるようにしてあげるということですね。

逆に、しっかりとガスを含んでいて生地にハリもボリュームもある場合は、それをその後も復温したりすると過発酵になりますので、ベンチタイム自体を室温やホイロではなく冷蔵庫で行うなど、元気になりすぎないようにしてあげないといけない訳です。

このようにして、毎回同じような復温を当たり前のように行うのではなく、元気のない生地はより元気になるように、元気がありすぎる生地はなだめながら、成形をおこなうことが大切なのです。

自分の感性に従い、今日の生地をどのようにしていくべきかを判断しながら焼き上がったパンを見て、思い通りの完成度だったらそれがベストな作り方であり、自分なりの冷蔵法の完成なのです。

パン作りにおいては、様々な着眼点があろうこととは思いますが、意外と関係のないところばかりに目が行ってしまいがちです。

最良の生地状態というものを見極めることが出来るとしたら、それは自分の手で感じるしかない訳ですから、その感触に全神経を集中させて、どのプロセスをどう調整すればより良くなるのか、どこに問題点が潜んでいるのかを、手を通して感じるクセをつけていただきたいのです。

ということで、

1.入れ物に対する生地の量をつかみましょう

2.冷蔵中は膨らませてはいけない

3.大切なのは復温ではなく感触


以上をよく理解したうえで、自分なりの冷蔵法をつかんでいきましょう。



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最終更新日 : 2020-02-27

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