お家でパン作りって本当に楽しい!!!
でも、小麦粉を使うと洗い物が大変なのはなんとかならないのかな~
そうお感じの方、多いのではありませんか?
小麦粉ってそもそも舞いますね・・・ うんうん・・・
だから流しの洗い物だけではなく、部屋の周りにもどんどん溜まっていってそれはそれは大変。
そう感じていると思いますが、パン屋さんに至ってはもうそんなレベルの話ではスミマセンよ。
捏ね担当の人なんかは、鼻毛まで真っ白になりますから・・・
さらに小麦粉の厄介なところは、一度生地になってしまうと、洗ってもそう簡単には落ちませんし、粘着性はありますし、あちらこちらにこびりついて、濡れても乾燥しても取り省きにくいつわものです。
とは言え、洗い物をしないで済む方法なんてありませんから、ここはきちんとあきらめて、効率的な方法をなるべく行い、しっかりと除菌なりの処理を行って、衛生的で安全な美味しいパンを作っていきたいものですよね。
そこで今回は、パン屋さんやパンを多く作るご家庭において知っておいてほしい正しい洗い物の手順と、収納や除菌などについてご紹介していきたいと思います。
まずは洗いものですが、使った器具などを順次流しへ入れていくと思います。
この時に、無造作にそのまま流し台に投入していくことはまず絶対にNGとなります。
なぜNGなのかと言いますと、小麦粉や油ものなどが混合して全体をくまなく汚してしまうからです。
水やお湯などを溜めておいて、その中に順次入れている人もいるかと思いますが、その際にも汚れが器材に付着したまま入れてしまうことによって、全ての器材や食器類に満遍なく汚れを付けてしまうことになります。
これは、一見汚れを浮かせて落ちやすくしている・・・かのように錯覚しがちですが、実際には余計に汚しているだけなのです。
洗い場に汚れ物を投入する際には、まず固形物などはしっかりと取り省き、さっとで良いので、お湯である程度の付着物を取り除いておくことが重要なのです。
お湯や水を貯めておくのはむしろやめましょう。
そしていざ洗いますよーっ・・・となる訳ですが、通常はここで洗剤とスポンジでそのまま洗いに取り掛かると思います。
そうして洗われた食器類ですが、よ~く見てみてください。
そして触れてみて下さい。
脂のシミや、生地などのザラザラ感がのこっていることがほとんどだと思います。
「結構な量の洗剤を使ったはずなのになんで???」
と思うかもしれませんが、結局は洗剤では取り切れないほどの量の汚れが付着していたということなのです。
パッと触っただけでは一見キュキュッとした感触に見えますが、ほとんどの食器に洗い残しがあるのです。
その洗い残しが保存場所を汚すことになり、結局はあちらこちらに雑菌だらけの状態を生むことになります。
パン屋さんというのは酵母を取り扱う仕事ですので、このちょっとした洗い残しの連鎖によって、思わぬ食品事故を生む危険性があり、特に調理パンでの食中毒が多いのはそのせいなのです。
最終的には焼いて殺菌されるから・・・と甘い考えを持ってしまうと、とても安全とは言えない食品を作り出してしまいかねないのです。
汚れが落ちていようがいまいが関係なく、洗い物には時間をかけないというような風潮のお店もあるようですが、洗ったということと洗えているかという事実は本来違いますよね。
もし何かが・・・と言う前に、自信をもって安全をうたえる作業場にしておきたいものですよね。
そんな時に絶対行っていただきたいのが 予洗い という習慣なのです。
この予洗いですが、予備の予ではなく、あらかじめの予になります。
つまり、まずはざっとで良いので油汚れとか生地の付着したものを集中的にあらかじめ落としていきます。
そして、全体的にひどい汚れがなくなった状態で、違うスポンジと洗剤で改めて洗うのです。
こうすることで、一見二度手間のようにみえますが、実際には簡単に汚れが落ち、トータル的にはとても効率よく汚れが落とせるのです。
固まった汚れというのは、スポンジに確実にくっつきます。
その汚れがくっついたスポンジでいくら洗っても、結局はその汚れの塊を塗りつけていることと変わりはないのです。
一生懸命に洗っても、実際によく見るとほとんど落ちていなかった・・・というのはこの為だったのです。
洗い物を最後に布巾でふき取る人も多いと思います。
それはそれで構わないのですが、洗い物に汚れが残っていると、結局布巾に汚れが移りますので、その汚れを他の器材に塗り付けていることになってしまいますので、やはりしっかりと汚れは落とすということを心がけましょう。
次に収納の際に殺菌などをする方がいらっしゃいますが、基本的にはよく乾燥させておけば殺菌は不要です。
むしろ逆効果なのは、汚れがきちんと落ちていないのにアルコールなどを噴霧して、濡らして収納することで、汚れに対してアルコールを噴霧しても汚れが落ちることはなく、結局は奇麗になった気になっているだけという悲しい現実となります。
キッチリ落として乾燥
それだけを守っていただければ大丈夫です。
ちなみに、収納場所が密閉されていない場所であることもあろうかと思います。
戸棚ではなくラックとか、戸なしの棚だった場合は特にですが、使用する前に一度アルコール消毒を行うことは非常に有効です。
小麦粉が飛んでいる現場ですので、洗った後もなにかと粉が付くこともありますし、もしかしたらクモやハエなどが糞をしている可能性もあります。
ですので、使用前のアルコール消毒というを習慣づけておくことは非常に大切です。
そして、洗い物と言えば必ず登場するのが漂白とか除菌とか抗菌とかという言葉なのですが、皆様はこの意味きちんと理解していますでしょうか。
殺菌・滅菌・除菌・抗菌というのは、それぞれおおむね読んで字のごとくですから、特にどうということはないと思うのですが、では実際に漂白を行う場合には何を使用するべきなのか、消毒と漂白はどう違うのか、ハイターで野菜も消毒できるのかなどなど、もしかしたら勘違いしていることがあるかもしれませんので、そのあたりをわかりやすくまとめておきたいと思います。
殺菌によく使われる次亜塩素酸水ですが、これってキッチンハイターとは違うのでしょうか?
もっと言うと、キッチン泡ハイターとかブリーチとか、はたまたワイドハイターとか色々ありますが、それらの違いってわかりますか?
なんて言うとまるで脅しているかのようですが、細かく知る必要はないにしても、最低限のことだけは知っておかないと、間違いなく食品事故につながりますので、簡単に説明しておきたいと思います。
まず皆さんが良く知っているであろうキッチンハイターですが、これは花王というメーカーの塩素系漂白剤であり、次亜塩素酸ナトリウムをメインとした漂白剤です。
この次亜塩素酸ナトリウムを含む漂白剤というのは各メーカーから販売されている訳ですが、商品名や用途に応じて次亜塩素酸ナトリウムの含有量が違うのです。
当然含有量が多いほど強力となるわけですが、かと言っても薄めて使えば皆同じというわけです。
ただし、同じでないものもあります。
例えばハイターでも、ワイドハイターという色柄物にも使える洗濯用漂白剤がありますよね。
この製品は酸素系漂白剤といって、似てはいますが内容がハイターとは違います。
ですので、中身が次亜塩素酸ナトリウムのハイターなどはキッチンや食品にも使えて、中身が酸素系漂白剤のものは衣類の漂白用だと覚えておきましょう。
また、食品添加物としてカット野菜などの除菌につかえるものと、一般的な漂白用のキッチンハイターとでは何が違うのかというと、キッチンハイターには界面活性剤が入っていて、つまり汚れを落とす目的も持っているという点なのです。
そのようにして、同じような漂白剤であっても、食器用とかキッチン全般用とか、お風呂やトイレ用などのように洗剤の効果を持たせたり、次亜塩素酸ナトリウムの濃度を変えて用途わけしているものがあるということなのです。
そして肝心の、私たちが安全に使用すべき漂白剤の量というのはどうなっているのでしょうか・・・
漂白剤などではよく ppm という言葉が使われますがご存知でしょうか?
ppm というのは % と同じように濃度を表す単位のことで、100万分の1を表します。
これに対して皆さんよくご存じの % は100分の1の意味ですから、1%というのは1万ppmということになります。
ブリーチなどの流通している次亜塩素酸ナトリウム液(原液)は、濃度5~6%または10~12%のものが一般的です。
使用時には、この原液を目的に応じた濃度(ppmという単位で示されていることが多い)に希釈します。
希釈濃度の例としては
野菜の殺菌には 200ppm~100ppm / 調理器具の殺菌には 200ppm
ノロウイルス対策の環境清浄には 200ppm / 嘔吐物の処理には 1,000ppm
というように、直接口に入るものには薄い濃度で、完全なる除菌が必要な場合は濃い濃度で使うことになります。
では、実際には希釈倍率はどうやって計算するのかといいますと・・・?
次亜塩素酸ナトリウム液原液の%と目的の濃度から計算します。
例)原液6%の次亜塩素酸ナトリウム液を200ppmにしたい場合
原液6%=60,000ppmなので、60,000ppm÷200ppm=300倍となり
300倍に希釈すればよいことがわかります。
家庭でも職場でも、まな板とか食器を漂白する際にはあまり希釈は行わないでしょう。
それでもその後にしっかりと洗い流しているでしょうから、特に問題はないと思いますが、消毒用として使う次亜塩素水の場合は、ふき取りなどは行いませんので、しっかりと濃度を守って使用しないと事故につながります。
誰でもが知っていることとして水道水には塩素が含まれているわけですが、これがもし少しでも濃度が間違っていたとしたら、これはもうテロ行為になってしまうでしょう。
だからと言って少なすぎると、今度は細菌が繁殖してしまうことになり、これまた別の意味での集団感染の危険性があります。
ですので、食品関連に使用する次亜塩素酸の濃度に関しては、しっかりと適正を知ったうえで行っていきたいものですよね。
特に野菜の殺菌などの場合は、濃度も大切ですが、長時間放置することなどのないよう、十分徹底してほしいものです。
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最終更新日 : 2020-03-05