
前回は、作業が遅くて職場で足を引っ張ってしまっているかもしれないと感じている人に対してのアドバイスを行いましたが、そもそも「かもしれない・・・」程度の人なら、ある意味すぐに改善できると思うのです。
問題は、そんなものでは済まずに、確実に迷惑をかけてしまっていることが確定している人、出来ることなら早く追い出したいと他のスタッフに思われてしまうような重篤な愚図というレッテルを張られてしまっている人はどうしたら良いのかと言うことなのです。
結論から言ってしまうと、違う道に進んだ方が良いとは思いますし、その方が職場にも本人にも、つまり双方に良い結果につながることは経験上間違いないと言えるでしょう。
しかし、このいわゆるどん臭い人というのは、自分がどう思われているのかに意外と気が付いていません。
ある時、たまりにたまった怒りを誰かにぶつけられて、初めて気が付くということも多いのです。
基本的にはチームでの仕事ですから皆寛容の精神で助け合いながら仕事をしていますよね。
「本当にどん臭いな~、まだ終わんないのかよ~」とイライラしながらも、何とか手伝って、そして終わってしまえば一緒に飲みに行ったりして・・・
てな感じで済んでいるうちは良いのですが、いよいよ忙しくて1分でも惜しいと感じるような状況になると、それはそれはもうそこにいるだけで邪魔になってしまい、皆のイライラが頂点に達してしまうことがある訳です。
前回も書きましたが、仕事が遅い人、手際の悪い人、使えない人というのはおっとりした人が多いと思いますし、どこか天然ですし、けして悪人ではありません。
しかし戦争とも言えるような職場の中において、おっとりした態度でいられるということは、全体の雰囲気や流れに合わせることが出来ない、苦手な人と言うことになります。
「本当に空気よめね~な~」ならまだ良いのですが、「いい加減空気読めやっ」となると、もう殺伐とした空気が流れてしまって、このままではチームがダメになってしまうと判断して辞めていただくということも何度も経験してきました。
どうしてこの手の方々というのは、空気が読めないのでしょう。
周りがどれだけ焦って仕事をしていても、まったく意に介さずといった態度で淡々と自分のペースを崩さないどころか、むしろわざと逆らってんの??と言いたくなるほど違うリズムで仕事をする人がいます。
そうです、あなたのことです。
空気を読むという言葉は、あまり良い表現ではないかもしれませんが、要するに皆が急いでいたら普通急ぐだろ、それくらいわかってくれよ~と言う意味ですね。
普段から手が遅いことは皆が知っている訳ですから、せめて態度だけでも急いでいる風にしろということなのですが、それもできないようなのです。
事実、仕事が遅いことで感謝されることはあるはずもなく、どんな言い訳があったとしても、仕事が遅いことは職場に迷惑をかけている訳です。
もっと言うと売り上げにも響くわけです。
そしてもっと言うと給料泥棒になってしまうわけです。
これもいつも言っていることですが、人格を否定している訳ではありません。
仕事以外の時間でどれだけおっとりしていても、一向にかまわない訳ですが、いざ仕事となった時には、全体のリズムにあわせて少しは焦る、急ごうと努力してみる、というわけにはいかないのでしようか?
役者さんが様々な役をこなすように、スイッチを切り替える努力をしてみることは不可能なのでしょうか・・・と私たちは言いたいわけですが、それで急いでくれる人は見たことがなく、皆結局は辞めていくのでした。
辞めて自分に合った仕事につければ、それはめでたしめでたし・・・かもしれませんが、意外と違うパン屋さんに勤めていたりして・・・
結局パンの仕事が好きなんだな・・・んっ待てよ、ならばあっちでは忙しさについていけているのかな・・・と思うのですが、そんなはずはありません。
結局首になって点々と職を変えるのが関の山なのです。
と言うことは、結局この仕事で活躍したいのであれば、ある程度のスキルは持っていないと無理だということですから、どこかの段階でそのことに気づき、そして努力するしかないのです。
いいえ、わかっていませんよ。
というか、わかろうとしていません。
自分に蓋をして、人の意見を素直に聞き入れて試してみる、行動してみるという気持ちを押し込めているのです。
それはプライドのせいなのか人生観のせいなのかはわかりませんが、とにかくその点だけは謙虚さに欠けていると言えます。
「じぶんなりには」とか「できるだけは」とか「頑張るべきだと思う」とかいうセリフは辞めて下さい。
そのようなセリフは、「あなたたちの言いなりにはなりませんよ」と断言しているようなもので、せっかくあなたのことを心配して助言してくれている人たちを侮辱しているのとかわりません。
もしあなたが本気で自分を変えようと思っているのであれば、みるみる変化していけるはずですし、仕事は確実に早くなるはずです。
人に言われて悔しいのは解ります。
しかし誰に言われたからでも自分で気が付いたからでも、どちらでもよいのです。
変わったもの勝ちだということです。
前回も書きましたが、どん臭いのにプライドだけは高かった私が、本気で自分を変えようと思った瞬間がありました。
その数か月後には誰にも負けないくらいの作業スピードを手に入れていました。
人の真似をしたり、周りの仕事をよく観察するようにしたり、今行っている手順が本当に正しいか、もっと早く出来る方法は無いか・・・そんなことばかり考えるような習慣ができ、やがてはそれがクセに変わっていきました。
すると余裕が生まれて、作業をしながら商品開発ができるようになり、毎日のように新商品を試作するようになり、やがてお店は私が考えたパンだらけになりました。
その後は徐々に責任者への道を歩むことになる訳ですが、そもそも自分なりにとか、できる限り頑張りたいとは思うんですが・・・なんて一歩下がって自分を見ているようでは、本当の自分を動かすことなんてできません。
自分を変えようと本気で思うのなら、他人のためになる行動をすることです。
ただひたすらに、がむしゃらに突っ走る
誰に言われたからなんてどうでもいい
今の自分なんて捨てて、新しい自分に目覚めるために
それがスキルアップへのスタートラインだと思うのです。
私は直せました。
だからこそどん臭い人の気持ちとか習性みたいなものも解りますし、考え方も理解しているつもりです。
向いていないかな・・・この仕事・・・そう思うことは誰にでもありますよね。
でも、少なくてもそれを他人には言われたくないでしょ。
早く辞めてくれないかな~・・・そう思われているなんて屈辱じゃないですか?
なら辞めてやるよっ!!・・・って息巻いても、次の職場でも仕事が遅い人はまず使い物にはなりませんよ。
そうやってどこにいってもクビになるのをビクビクしながら過ごすなんてやめましょう。
パン屋を辞めるなら、違う道はきっとあるかもしれませんし、もっと自分に合った仕事があるかもしれません。
しかし、パン屋を続けたいのであれば、今のスキルではどこにいっても務まりません。
いつも言うことですが、「その職場になくてはならない人」「他人の助けになる動きが出来る人」にならなければ、役職も給料もやりがいもけして上がることはないのです。
私が唯一変えられることがあるとすれば、それは他人の気持ちや人生観ではありません。
自分自身だけなのです。
ですので、あなたを変えることが出来るとしたら、それはあなた以外にいないのです。
さあ、一大決心して
だっせ~な~ 早くしろよ~ 任せられない あっちやってて 空気読めや いらない 向いてないんじゃない
なんておさらばして
さすが~ へ~ すごいね 教えて お願い 助かる~ ありがとうございます
と言われる人生をつかみましょう。
相談してくれた○○さん、どこまでも応援していますよ。
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最終更新日 : 2020-11-18