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2021-01-01 (Fri)  09:44

ミキサーの特性と最適ミキシングについて

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皆様が一番多く使用しているであろう縦型ミキサー。

私もすべてのメーカーのミキサーを知っている訳ではありませんし、すべてのミキサーを使ったことがある訳でもありません。

ですが、たいていのパン屋さんではこちらの縦型か、あるいはスパイラルのどちらかをお使い、あるいは両方ともあるというパン屋さんも多いと思います。

現在パン屋さんにお勤めで、どちらか一方しか使ったことがないという方からしてみれば、どちらが良いのか、どちらが何生地に向いているのかなどは知る由もないわけで、とはいえ知らなくてもどうと言うこともないわけで、今お使いのミキサーを使って最適ミキシングさえ出来ていれば何の問題もないわけです。

どのような生地にはどちらのミキサーが向いている・・・というのは一概には言い難く、それぞれの職人によって考え方も違う訳です。

私が修業時代に有名店にお邪魔していたころは、必ずどちらも置いてあり、ハード系はスパイラルで、菓子パン系は縦型でという分け方をしているお店が多かった記憶があります。

しかし、それはお店によって明らかに違っていましたし、今現在の私が考えるには、どちらでもよい というのが結論です。

どちらにしても それなりになる と言う意味で、ミキサーによって良い生地とか悪い生地になるという根拠はあまりないと考えています。

ただ言えるのは、あきらかに生地の捏ねられ方は違うという点です。

それさえ分かっていれば、それなりに使用すれば良いことになりますから、求める結果から最適ミキシングを導き出せば良いわけです。

・・・なんて言われてもピンとこないですよね。

ということで、縦型とスパイラルの捏ねられ方の違いについて簡単に説明しておきましょう。


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こちらがスパイラルミキサーになりますが、基本的にはこのようにドリル状のフックが付いていて、それが回転して生地をねじる様に捏ねていくのが特徴となります。

縦型ミキサーと最も違う点は、ボールそのものが回るという点ですね。

ボールが回ることによって生地がフックに向かって進み、捏ねられたかと思ったら回転によって離れ、さらに一周してまた捏ねられる・・・の繰り返しで、縦型ミキサーのようにずっと全体的に捏ねられる生地と違い、休み休み捏ねられるという特徴があるのです。

ストレスを与えては休ませ、休ませてはストレスを与える・・・の連続技で生地を作っていくわけですね。

画像のスパイラルはフックしかありませんが、中央に柱が立っているものもあります。

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それがこちらで、生地をたくさん捏ねられる中型から大型タイプには、このように中央に柱があります。

スパイラルの特徴としては、生地を巻き込むようにして混ぜながら捏ねる、そして一旦離れてはまた捏ねるを繰り返し、摩擦熱が過剰に起きないような構造になっているのです。

捏ねるということは一般的には摩擦ですから、その摩擦熱によって温度は上昇することになる訳ですが、生地量が多い場合、縦型ミキサーを使用するとその摩擦熱はとても大きくなってしまいます。

ある程度大量の生地を捏ねる際には、スパイラルミキサーの方が摩擦上昇温度を抑えることが出来、結果的には生地に優しいと言えるわけです。

パンしか作りません・・・と言うお店であれば、スパイラルが一台あればすべて問題なく作ることが可能でしょう。

捏ねられているところをよく見ていると、回転するフックと中央の柱の間で生地がバッサリと切られていて、一見生地をぶった切っているようにも感じるのですが、実はこのバッサリ切りながら捏ねるというのが生地には優しいことになるのです。

分割などで生地を取り扱う際にも、グイッと引っ張るように生地を切るとコシが出てしまいますよね。

引っ張るというニュアンスよりも、スパッと切る方が生地へのダメージは少なくなることは皆さまも日々お感じのことでしょう。

ということで、若干ではありますが休み休みねじ込むように捏ねるというのがスパイラルの特徴であり、摩擦熱を最小限に抑えることが出来るのもスパイラルの特徴だと言えるのです。

他方縦型ミキサーの場合は、当然ながらボールは固定されていて、フックによって生地全体がボールに叩きつけられ、こすられ、伸ばされしながら捏ねられていきますので、その生地量によって摩擦の度合いは大きく異なることになります。

生地量が少ない場合はペッタンペッタンと叩きつけられることがメインとなり、生地量が多い時にはもまれながら捏ねられるというイメージになります。

縦型ミキサーを使う場合には、捏ねる生地量に応じて時間もギアーも工夫しながら行うことが重要になります。

また、柔らかくてボールの壁にくっつきながら捏ねる場合と、壁には付かずにフックを中心に捏ねられる硬めの生地では、捏ね上りの状態も、かかる時間も全く違いますので、生地によって、あるいは吸水によって、あるいは生地量によって、様々な対応を行わなければならない訳です。

そう考えると、パン生地全般としてはスパイラルの方が使いやすい、そして安定して捏ねることが出来ると言えるかもしれません。

しかしながら、現実にはほとんどのパン屋さんで縦型が使用されています。

それは何故でしょう・・・

それは、縦型ミキサーだと自家製フィリングを作れたり、パウンドケーキをを作れたり、スポンジカステラを立てることが出来たりと、つまりはパン生地以外のお菓子も作ることが出来るからですね。

たいていのパン屋さんでは焼き菓子も品揃えしていますから、どうしても縦型は必要であり、それだけでは間に合わない場合にはもう一台はスパイラルで・・・と言うお店が多いのです。

そう考えますと、縦型はお菓子作りでスパイラルはパン用だと言えなくもないでしょうね。

焼き菓子も結構作っているよ、あるいはケーキも同時に作っているよ・・・なんてお店では、縦型ミキサーは大活躍なのですね。

ただしパンに関しては先ほどから申し上げている通り、柔らかい生地なのか硬い生地なのか、どの位の量を捏ねるのかによって、ミキシング時間とかギアーの使い方に大きなコツが発生することだけは覚悟しておかなければなりません。

よく、色々なお店にお邪魔しても毎日同じミキシングタイムで捏ねているお店がたくさんありました。

そうしますと、当然ながら量が少ない日はミキシング不足、量が多い日はミキシング過多となりますから、不安定になってしまう訳です。

もっと言うと、量が少ないミキシング不足生地の方が作業が早く終わりますので、なおさら生地は元気がなくなり、量が多いミキシング過多の生地は作業に時間がかかって尚更過発酵になりますから、生地量の違いによって捏ね方の工夫が出来ていないと、悪循環となってしまう訳です。

縦型かスパイラルかということではなく、どちらにしても何が最適なのかをよく理解しておかないといけないということですね。

では、それぞれの最適ミキシングについてもう少し掘り下げて考えてみましょう。


縦型はここに注意

低速・中速・中高速・高速の4段階が縦型の基本ギアーですが、これらはどう使用することがベストなのでしょう。 そして油脂投入のタイミングとギアーについてはどうするのがベストでしょうか。



縦型の場合、使用するのはほぼ中高速までで、高速は菓子用となります。

平均的な吸水の生地なら中速までで完了するでしょうし、バシナージュ(足し水)をする際には中高速を使用することになるでしょう。

基本的な考え方は皆さんご存知のこととは思いますが、低速でしっかりと混ぜて水和を図り、中速でしっかり捏ねるという考え方になります。

しっかりと水和出来ていない状態で中速に入れた生地は、結局滑らかな生地にはなりませんし、逆にやたらと低速を長くしても何の意味もなく、ただただ時間だけがかかってしまいます。

通常は低速は3分から5分が基準となっていて、油脂を混ぜる際の時間もこの範囲で行うのが一般的でしょう。

ただし、油脂量が5%程度なら1分の低速で捏ねれば十分ですし、油脂量が対粉で3%以下の場合は初めから投入しても何の問題もありません。

もっと言うと、5%でも初めから投入しても特にミキシング時間には影響しません。

これをパンで表現しますと、ソフトフランス系のパン、セミハード系のパン、あるいは油脂の少ない食パンなどの場合は初めから油脂を投入してもOKと言うことになります。

それ以上の油脂量の場合は、逆にしっかりと生地がつながってから入れるのが良いでしょう。

油脂量がブリオッシュのように多くなれば、おのずと低速でじっくりと混ぜていかなければなりませんが、10%以内であれば2分もあれば十分でしょう。

ミキシングの中ほどで油脂を・・・とよく言われますが、あまり早めだと油脂がグルテンのつながりを妨げてしまって、いつまでたっても生地が出来ずに温度ばかりが上昇してしまうということになりかねません。

ですので、極端に言えばミキシングの80%くらいが終了したあたりで入れることで、より滑らかなグルテンが完成します。

特に最近では国産小麦をお使いのパン屋さんも増えてきたと思いますが、国産小麦は外国産小麦よりもしっかりグルテンをつなげてから油脂を入れないと、なかなか生地が出来上がらない傾向がありますので注意が必要です。

いずれの生地にしても、油脂投入のタイミングよりも最終段階の生地の見極めが重要な訳ですが、この部分に限っては言葉で表現することは出来ません。

その見極めが出来る人は、ミキシングを自在にコントロールすることが出来ると思われますし、できない人は時間で捏ねるしか方法がないでしょう。

ただ、結論は焼き上がれば一目瞭然な訳ですから、捏ねたらおしまいではなく、必ず完成品をチェックするようにすればいつかは必ず習得できる日がきます。

スパイラルはここに注意

低速・高速の2段階がスパイラルの基本ギアーですが、これらはどう使用することがベストなのでしょう。 そして油脂投入のタイミングとギアーについてはどうするのがベストでしょうか。



スパイラルミキサーの場合は、低速は混ぜるで、高速は捏ねるになります。

ある意味解りやすいですよね。

ただしスパイラルには逆回転と言うものがありますが使っていますでしょうか?

この逆回転ですが、より速く材料を均一に混ぜたい時に使用します。

なぜかと言いますと、正回転だけだとフック付近の生地と逆方向に行ってしまった生地とが混ざり合うことができずにいますので、どうしてもバラつきが生じます。

ですので、お使いのこととは思いますが、逆回転を使って速やかに材料を混ぜるという作業が必要で、それ以降正回転で水和を図り、高速で生地を作るという段取りになります。

油脂を混ぜる際も同様で、逆回転をうまく使って油脂を満遍なく全体に行きわたらせなければなりません。

スパイラルにはなぜもっと早い最高速がないのかは詳しくは解りませんが、たぶん必要ないからだと思います(笑)

あのドリルのグリグリ回転で、十分生地が捏ねられていますしね。

また、スパイラルではタイプによって若干考え方が違うものがあります。


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上記画像のように、大きなスパイラルで少ない生地を捏ねた場合、たくさん捏ねた場合と比べて休む時間が少なくなります。

つまり、グリグリが終わったかと思ったらまたすぐにグリグリされるわけで、その分早く生地が出来上がります。

また、このように中央に柱がないフックのみのタイプの場合は、四六時中グリグリされていることになりますから、その分捏ね上りが早い、摩擦上昇温度も高いということになります。

タイプによって違いがあるということを理解したうえで、ずっとグリグリされているものと、休み休みグリグリされているものとでは、捏ねられ方が全く違うのだということを知りましょう。

私の経験では、総じてスパイラルミキサーの方が生地の完成が早いし、摩擦上昇温度は低く済むと感じています。

以上、スパイラルと縦型の違いについて説明してきましたが、お分かりいただけましたでしょうか?

・・・と書いていながらも、そうはいかないだろうな~と感じています。

なぜかと言いますと、各メーカーのミキサーによっても若干違いがありますし(特に回転数)、フックの形状などでも違いがあるからです。

また、恐らく皆様が一番お悩みなのが、季節変動や生地量によって度々捏ね上りの状態、捏ねている時の状態が違うのはなぜか???????と悩んでいるだろうことが想像できます。

しかし、小麦粉の状態も正直必ずしも一定ではありませんし、水温と外気温の関係、ミキサーボールが冷たいとき、熱いお湯を使ったとき、氷を使ったときなどなど、あらゆるシーンによって生地の捏ね状態と言うのは変わってくるので、それらすべてを表現することは難しいのです。

結局のところ最終製品を見て判断していただくしかなく、自分なりの判断で行うしかないのが現状なのです。

特別大きな失敗がミキシングによっておこることもない代わりに、微妙と絶妙が交差している、感覚とセンスだけが最後の砦であることもまた確かなのです。

大きく悩んだ人のみが到達できる ”これか” があることだけを信じて、ただひたすら悩むしかないのです。

ただ、その悩みはけして苦悩ではありませんよね。

自らを磨くための体験ですから、どうか楽しみながら己と向き合っていただきたいと願っております。

↓こちらの記事も合わせて見てね↓



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最終更新日 : 2021-01-28

ミキシング絶対に極めたいです * by まりも
ありがとうございます。
縦型とスパイラルの違いが明確に理解できました!

やはり自分で試行錯誤していくしかないのですね。
試行錯誤しているのは自分は楽しいのですが、焼き上がりが悪くないかぎりは、その商品をお客様が買われていくわけで…それが果たして良いのだろうか悩んでおりました。
そして焦っていろいろと質問してしまいました。
でも質問させていただいて良かったです。

油脂のタイミングは80%生地ができてから、ということも意識してみます。

小麦粉の状態は一定ではない、とありました。それは理解できるのですが、感じるほど明確に吸水率などが変わってしまうこともあり得ますか?

Re: ミキシング絶対に極めたいです * by しずかな朝
まりもさん、こんにちは

吸水は明確に5%以上変わることもあります。
ただしですよ、それは感覚的に自分好みの生地の感触にしようと思ったら水がたくさん入ってしまった・・・みたいなもので、科学的に見れば5%分しっかり水分を余計に含んだ生地として焼き上がります。

ですから、いつもよりも柔らかいパンになる可能性もありますし、別の見方をすればその分少し長く焼き込まなこといつものパンとは違ってしまうということになる訳です。

良し悪しは別として、ミキシングを感触で捉えようとすると、べた付けば水を減らしたくなりますし、硬ければ水を増やしたくなりますよね。
しかしそれは毎回同じ吸水量の生地にはなっていないことを理解して行わないと、毎回違う焼き上がりになってしまうということになります。

他方、いかなる状況であろうとも吸水は一定で行った場合、生地の感触は様々でしょうが生地の水分量としては一定になります。
ですので、安定で考えた場合吸水量は変更すべきではないし、毎回同じで行うのが理論的には正しいのかもしれません。

とは言え現実には、小麦粉の保管状況や季節変動などによって、粉自体がベタベタしたりだまが出来ていたり、あるいは非常にサラサラとしていたりと、一年を通してかなり違うものですよね。

そこに原料そのものの、つまり小麦粉内の水分量の変化も関わってきますので、結局は感覚的に捉えるしかない訳で、そうなると吸水は季節や温度湿度によって毎回かなり違ってくるというのが正解になりますし、水分の違いに注視しながら成形や焼成を行うことをないがしろにしない限りにおいて、むしろどんどん変えて良い、変えるべきだと言えると思います。

んっ・・・なんか表現がおかしいかな(笑)

まあ要するに「たくさん水が入った日は生地がダレてボリュームのないパンになっちゃった・・・えへ」なんてことにならないようにだけ注意しながら、最適ミキシングを見つけましょうということです。

お判りいただけましたでしょうか?

* by まりも
毎回すぐに返信いただき本当にありがたく思っております。

吸水は理論的には一定で。。。しかし感覚的にはどんどん変えていい、ということですね。
うーん、、、深すぎると正直思いました笑
パンは生き物、と職人さんたちがおっしゃるのを、いまいち意味がわかっていなかったのですが、最近ひしひしと感じております。

ミキシングがうまくいかなかったときに、ある方に小麦粉のロットが変わったんじゃないか、と言われ、そのときに、しずかな朝さんの以前のブログを思い出したのです。
製粉会社がそこを見逃さず、調整しているから、、というものです。ということはそれぞれの店での保管状況や季節変動、により小麦粉の状態が変わる、という考えでいいのでしょうか。

最近は生地のべたつきがあり、なんで冬の乾燥時なのにベタベタするんだ?水を増やしたいのに。。。という日々です。水を減らせば簡単にベタつきはなくなるとは思うのですが、小麦粉の状態が違うなら、乾燥時に水を減らすなんてことも有りなんでしょうか。現在は水は変えず、ミキシング時間を変更していますが、まだ納得いく生地になっていません。

Re: タイトルなし * by しずかな朝
まりもさんへ

いくら小麦粉の数値的なものは安定させることが出来たとしても、イモやネギやカボチャなどの野菜類に多く見られるように、その辛さとかみずみずしさとか風味とか歯ごたえというのは厳密にいえば一つ一つ違う時があります。
小麦も自然界のものですから、いくら数値は同じでも毎回全く同じと言う訳にはいかないのです。

そのお陰でなんかべた付いたり、逆にしまってきたりして、それはどうすることも出来ない訳ですから、そこからはこちらが判断して技として何とかしていくしかないのです。

水の量が問題なのではなく、小麦の質で感触が変わってくるわけですから、小麦粉の種類分だけやり方もコツも技も違ってきてあたりまえで、それをそう簡単につかもうとするのはせっかちというものです。
じっくり行きましょう。

* by まりも
毎日悩んでいて、でもせっかちと言われたのは初めてです笑
ありがとうございます!
じっくり勉強していきます。技をつかめるようになるまで。
なんて楽しい世界なのだと思いました。
しずかな朝さんのおかげです。

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ミキシング絶対に極めたいです

ありがとうございます。
縦型とスパイラルの違いが明確に理解できました!

やはり自分で試行錯誤していくしかないのですね。
試行錯誤しているのは自分は楽しいのですが、焼き上がりが悪くないかぎりは、その商品をお客様が買われていくわけで…それが果たして良いのだろうか悩んでおりました。
そして焦っていろいろと質問してしまいました。
でも質問させていただいて良かったです。

油脂のタイミングは80%生地ができてから、ということも意識してみます。

小麦粉の状態は一定ではない、とありました。それは理解できるのですが、感じるほど明確に吸水率などが変わってしまうこともあり得ますか?
2021-01-01-19:52 * まりも [ 編集 * 投稿 ]

しずかな朝 Re: ミキシング絶対に極めたいです

まりもさん、こんにちは

吸水は明確に5%以上変わることもあります。
ただしですよ、それは感覚的に自分好みの生地の感触にしようと思ったら水がたくさん入ってしまった・・・みたいなもので、科学的に見れば5%分しっかり水分を余計に含んだ生地として焼き上がります。

ですから、いつもよりも柔らかいパンになる可能性もありますし、別の見方をすればその分少し長く焼き込まなこといつものパンとは違ってしまうということになる訳です。

良し悪しは別として、ミキシングを感触で捉えようとすると、べた付けば水を減らしたくなりますし、硬ければ水を増やしたくなりますよね。
しかしそれは毎回同じ吸水量の生地にはなっていないことを理解して行わないと、毎回違う焼き上がりになってしまうということになります。

他方、いかなる状況であろうとも吸水は一定で行った場合、生地の感触は様々でしょうが生地の水分量としては一定になります。
ですので、安定で考えた場合吸水量は変更すべきではないし、毎回同じで行うのが理論的には正しいのかもしれません。

とは言え現実には、小麦粉の保管状況や季節変動などによって、粉自体がベタベタしたりだまが出来ていたり、あるいは非常にサラサラとしていたりと、一年を通してかなり違うものですよね。

そこに原料そのものの、つまり小麦粉内の水分量の変化も関わってきますので、結局は感覚的に捉えるしかない訳で、そうなると吸水は季節や温度湿度によって毎回かなり違ってくるというのが正解になりますし、水分の違いに注視しながら成形や焼成を行うことをないがしろにしない限りにおいて、むしろどんどん変えて良い、変えるべきだと言えると思います。

んっ・・・なんか表現がおかしいかな(笑)

まあ要するに「たくさん水が入った日は生地がダレてボリュームのないパンになっちゃった・・・えへ」なんてことにならないようにだけ注意しながら、最適ミキシングを見つけましょうということです。

お判りいただけましたでしょうか?
2021-01-02-03:09 * しずかな朝 [ 編集 * 投稿 ]

毎回すぐに返信いただき本当にありがたく思っております。

吸水は理論的には一定で。。。しかし感覚的にはどんどん変えていい、ということですね。
うーん、、、深すぎると正直思いました笑
パンは生き物、と職人さんたちがおっしゃるのを、いまいち意味がわかっていなかったのですが、最近ひしひしと感じております。

ミキシングがうまくいかなかったときに、ある方に小麦粉のロットが変わったんじゃないか、と言われ、そのときに、しずかな朝さんの以前のブログを思い出したのです。
製粉会社がそこを見逃さず、調整しているから、、というものです。ということはそれぞれの店での保管状況や季節変動、により小麦粉の状態が変わる、という考えでいいのでしょうか。

最近は生地のべたつきがあり、なんで冬の乾燥時なのにベタベタするんだ?水を増やしたいのに。。。という日々です。水を減らせば簡単にベタつきはなくなるとは思うのですが、小麦粉の状態が違うなら、乾燥時に水を減らすなんてことも有りなんでしょうか。現在は水は変えず、ミキシング時間を変更していますが、まだ納得いく生地になっていません。
2021-01-02-06:26 * まりも [ 編集 * 投稿 ]

しずかな朝 Re: タイトルなし

まりもさんへ

いくら小麦粉の数値的なものは安定させることが出来たとしても、イモやネギやカボチャなどの野菜類に多く見られるように、その辛さとかみずみずしさとか風味とか歯ごたえというのは厳密にいえば一つ一つ違う時があります。
小麦も自然界のものですから、いくら数値は同じでも毎回全く同じと言う訳にはいかないのです。

そのお陰でなんかべた付いたり、逆にしまってきたりして、それはどうすることも出来ない訳ですから、そこからはこちらが判断して技として何とかしていくしかないのです。

水の量が問題なのではなく、小麦の質で感触が変わってくるわけですから、小麦粉の種類分だけやり方もコツも技も違ってきてあたりまえで、それをそう簡単につかもうとするのはせっかちというものです。
じっくり行きましょう。
2021-01-02-07:03 * しずかな朝 [ 編集 * 投稿 ]

毎日悩んでいて、でもせっかちと言われたのは初めてです笑
ありがとうございます!
じっくり勉強していきます。技をつかめるようになるまで。
なんて楽しい世界なのだと思いました。
しずかな朝さんのおかげです。
2021-01-02-07:59 * まりも [ 編集 * 投稿 ]