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ベーカリーアドバイザーの部屋

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2021-02-18 (Thu)  12:58

ブツブツお肌は手ごわい天敵

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とある2月の朝・・・

朝焼け、夕焼けというのはいつ見ても荘厳ですね~。

特に寒い日の朝焼けの光からは、何かエネルギーをもらえる気すらします。

そんな凛とした空気の中、今日も黙々とパンを作り始めているであろう多くの戦友の方々、誠にお疲れ様です。

私事ですが、最近二つの大きな大発見がありました。

一つは、感動が伴うような食パンの開発が出来たこと・・・

わたくしのパン屋生活史上、もっとも完成度が高く、しかも食べた人の評価がこんなにすごいことはありませんでした。

長く長く温めてきた構想がとうとう実現できたと、この美しい朝日に感謝の報告をいたしました。

内容に関してここでお伝えすることは出来ませんが、いずれ何らかの形で報告したいと思います。

そしてそして本題はこれなのですが、最高の開発とは裏腹に、久しぶりに頭を悩ませていただいたのが、久々の登場フィッシュアイ様なのでした。


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いやーお久しぶりです~

まさか自分の作るパンでまたお会いすることになろうとは・・・

随分と多くのパン屋さんのフィッシュアイを解決してきた私でしたが、本当に久々のご対面なのでした。

初めのうちは、「あれれやばいやばい、ちょい油断したかな・・・」位に思っていたのですが、これがまた以外にも数週間にわたってお目見えしてくれたのでした。

このパン表皮のブツブツ、気になる人がいる一方で、気にしないという職人さんもいるようですね。

お客様の反応も様々ではありますが、個人的にはこれは完全にNGと判断しておりますので、なんとしても完全解決を試みることになったわけです。

と言うことで今回頭を悩ませてくれたのは、いわゆる菓子パン生地なのですが、たいていのパン屋さんの場合、菓子パンと言うのは前日に成形してドウコンへ入れ、当日朝に焼成と言うパターンが多いと思います。

ただ違うのは、冷凍生地中心のパン屋さんでしたら、前日に生地の解凍から成形までを行い、それをドウコンへ入れるのに対して、冷凍生地ではないパン屋さんでは、捏ねた生地を分割成形してドウコンへ入れるという違いになると思うのですが、この際の大きな違いと言うのは 成形前の生地が冷凍されていたか常温発酵されていたかの違いになりますよね。

フィッシュアイが出てしまう生地というのは、たいていの場合冷凍生地か、あるいは冷蔵生地であって、捏ねて常温発酵を行った生地でフィッシュアイが出るというのは、よほど生地の発酵管理が出来ていない場合だけのはずなので、いわゆる温度変化によることが最大の理由であるはずだということだけは予想していました。

今回使用していた菓子パン生地も冷蔵生地で、今の職場にはドウコン以外の冷凍設備がない為、基本的には常温と冷蔵生地との併用を行うのが日常でした。

冷蔵生地も、冷蔵庫から取り出して分割成形し、それをホイロへ入れるという普段の段取りならフィッシュアイが出ることはまずないはずなのですが、冷蔵庫から取り出して分割成形し、その生地をドウコンで冷凍すると、翌日に出てしまうのでした。

一番良いのは、冷蔵生地を使った場合はその後は冷凍はしないというのが最良なのですが、そうなりますとすべて朝に分割成形を行わなければならないので、段取り上間に合わない場合があるということで、一部を成形後にドウコンへ入れていたのでした。

分割までを行っておいて、当日朝に成形から入ってホイロに入れるのであれば問題はもちろんないのですが、やはりどうしても成形までを前日に済ませておきたいということで、なんとしてもこの段取りでフィッシュアイを解決する必要があったのです。

と言うことで、久々に色々と試してみた内容をお伝えして、皆様の参考になればと思う次第です。 冷蔵生地というのは、冷凍生地とは違っていわゆる低温熟成された細かい気泡が魅力なのであり、しっとり感とか風味の点で冷凍生地とは比べ物にならないくらいソフトで、しかものど通りのよいパンになります。 一旦冷蔵発酵した生地をその後に冷凍したからと言って、その旨味やソフト感がなくなってしまう訳ではありませんので、見た目のフィッシュアイ問題だけ解決できれば品質には何の問題もないわけです。 と言うことで、あくまで冷蔵発酵されている生地を使って成形後にドウコンへ入れた際の解決策を試みてみました。


ドウコン内で生地は裸になりますから、表皮が乾燥するのでそのせいでフィッシュアイになるのではないかとビニール袋で包んでみた。翌日ホイロにする前にビニール袋をはずし、ホイロにしてみた。


実はドウコンと言ってもその機能は壊れていて、自分で温度を変更しなければならない、要するにある時は冷凍庫とした使え、ある時は冷蔵庫として使え、そしてまたある時はホイロとして使えるという代物なのでした。

この代物を使って、同条件で解決策を探ろうとしたのでした。

乾燥が一番の敵であると考え、ビニールをしたのでしたが、逆にフィッシュアイがひどくなっていました。

思うに、冷やすなら一気に冷やす必要があり、同じくビニールをするのであれば、良く冷えてから行わなければならなかったと後に反省しました。

通常機能のドウコンであればそもそもビニールなんてできないでしょうから、皆様にはこの行動は参考になりませんね。


普段はインスタントイーストの金ラベルを使用して改良剤は使っていなかったのですが、今回解決のためにBBJ0.1%、0.2%、オリエンタルドウジャスト0.1%~0.5%とそれぞれ試してみましたが、劇的な変化は見られませんでした。ただ単に、ドウジャストを多く使った場合発酵がガンガン進み、成形時コシが強くなって成形しずらい生地となりました。ドウジャストを使うなら0.2%程度で十分で、捏ね上げ温度も発酵時間も短くしないと過発酵になるので注意が必要です。結論としては後程・・・


改良剤に望みを託してみたのですが、意外にもあまり関係なかったかな??と言う印象でした。

フィッシュアイが出る仕組みははっきりとは分からないのですが、この時点では発酵力とはあまり関係ないのではと感じましたね。

ただ、いずれの場合も冷蔵して1日目よりも3日目の生地の方がフィッシュアイが出やすい傾向にありましたから、発酵力が関係ないわけではないのかもしれません・・・う~わからん・・・


ドウコン内の冷凍の温度を色々と変更してみましたが、結局のところマイナス10℃近辺が一番安定していた気がしました。なまじ弱い温度で冷凍したところで、良い結果が出る訳でもないなと感じました。


生地表面の乾燥という点では、冷凍温度が弱い方が乾燥しない気がしましたので、焼成前の生地は非常にしっとりとしていて「これはOKなんじゃないっ!!」と思うのですが、見事に期待は裏切られてしまうのでした。

ちなみに、ホイロから出して焼成する直前の生地の状態というのはいずれの場合もとても良く、どうしてこれでボツボツになるのかが全く理解できない日々が続きました。

いわゆるパンの発酵という点では何の問題もなく、ただ単に表面に肌の問題なんだと改めて感じましたね。

事実、ボツボツはしていてもとても美味しいパンだからです。

つまり、見た目以外には何の問題もないわけですね。

こりゃ尚更わからんわ~


小麦粉を変更したり薄力粉のブレンド量を変えてみたりしましたが、全く関係ないと感じました。



本来ここはいじりたくなかったのですが、もしそこに解決策があるのであればと思い色々試しましたが、大きな変化は見られませんでした。やっぱりなと言う感じでした・・・とほほ。

ということで数週間が過ぎ、時には大したことでもないか・・・くらいの状態の時もありましたが、相反してかなりボツボツな時もあり、こりゃもう冷蔵法は辞めようかとも思ったのですが、ここであきらめたら経歴が泣く・・・ここは意地でもやり通そうとその後もない頭をフル回転させて考えに考えました。

そして閃いた結論はこれでした。


フィッシュアイの最大の原因はこれ

生地の発酵力を改良剤を使って変化させてみたり、冷凍の温度帯をいじってみたり、生地の乾燥を心配したりしてきましたが、それらは皆冷凍前に目を向けた改善でした。つまり、どうしたら強い表皮を作れるかみたいな内容になっていたのです。ところがあることに気が付きました。それは、どのような生地であれ、最終発酵していく際の温度と時間の関係が重要なのではないかと言うことでした。つまり、マイナス10℃前後で冷凍保存された生地を、いかに優しくホイロまでもっていくことが出来るかがカギなのではないかと言うことです。そこに閃いた私は、朝出勤してからゆっくりと温度を変化させていき、けしていきなりホイロになるようなことはせずに、0℃、15℃、20℃、25℃、と時間をかけながら温度を変更していき、最後にホイロにするということを試みたところ、バッチリ綺麗なあんぱんとなったのでした。



何のことはない、ある意味本来のドウコンの機能を使えていれば問題なく出来ていたかもしれない内容なのですが、いかに低温、中温などの存在が重要なのかを改めて知るきっかけになったのでした。

通常のドウコンを使っていても、フィッシュアイに悩んでいるというパン屋さんはたくさんある訳ですが、解凍の温度帯を見直したり、時間を見直したり、低温温度帯の時間を見直したりすることで、かなりの確率でフィッシュアイは防げると改めて感じました。

色々な生地がドウコン内に入ると思いますから、どれに合わせるかが問題になろうとは思いますが、基本的には冷凍生地からのスタートであれ冷蔵生地からのスタートであれ、成形される前の生地状態さえ良好であれば、今回のようなゆっくり段階発酵によってフィッシュアイは解決できると感じています。

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やはり何と言っても菓子パンと言うのは、このように薄い皮で濃い焼き色、そしてしっとり感のある食感が重要であり、お肌の美しさは何よりも大切ですよね。

今回のじたばたが、皆様の参考になれば幸いです。


フィッシュアイに関してはこちらの記事も参考にしてみて下さい↓




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最終更新日 : 2021-03-04

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