
先日いつも見ているニュースの中で、こんな場面がありました。
「ガソリンが4週連続で値下がりしています。コロナの影響で世界的な需要が低下していること、そして政府による補助金が功を奏しての値下がりとなっています・・・」
で、いったいいくらになったの?
ようやく安くなったの?本当に??と喜んだのもつかの間、なんと0.4円の値下がりだそうで、思わず「バカなの」と声を上げてしまいました。
そりゃ0.4円だって下がっていることには確かに変わりはない。
でもそれ、報道するほどのニュースですか?
実際にそれでバンザイとなりますか?
わずかでも国民に恩恵がありますか?
いったいいつまで160円以上を続ける気でしょうね。
そうでなくてもありとあらゆる生活必需品が値上がりしている現在において、私達の可処分所得をいったいどこまで減らせば気が済むのでしょう我が国の政府は・・・
それにしても、キャスターも本当はアホらしいと思っているはずですが、いかにも政府のおかげで、政府は国民のために対策してますよ的な印象を与えたいためだけの報道の仕方ですよね。
これがまさに偏向報道なのです。
マスコミというのは、いくらでも印象操作をすることができますから、見ている私達が過剰に信じたり反応したりしないことが重要ですよね。
どちらかというとテレビっ子であった私も、ずいぶんテレビには騙され続けて来たわけですが、そんなテレビのおかげで大事になっていない事案というのも実はずいぶん多くあるのです。
それはなぜかといいますと、テレビはスポンサーの不利益になるようなことは報道できないからですね。
これはなにもテレビに限ったことだけではなく、例えばご主人が製薬会社にお勤めだとしたら、家族は薬についての危険性とか医療関係者との癒着とか、そんな内容の報道が加熱したとしたら毎日ヒヤヒヤものでしょう。
ご主人が政治家だったら、不倫とか贈収賄などが加熱報道されると家族はヒヤヒヤものでしょう。
自らが関わっている業種などが報道で取り上げられた場合、良い報道なら即売上アップにもつながり、働く人にも恩恵があるわけですが、逆になにか不具合を指摘されたりするような内容の報道が連日行われたりした場合、小さな会社だったら倒産もありえますし、大きな会社であっても大きく業績が傾いてしまったりリストラにあったりする場合があるわけです。
ですので、自分の身、ご家族の身の回りに関わることでトラブルが有り、それをテレビなどで連日報道されるということは、それはそれは多くの人を敵に回すことになってしまい、内容によっては職を無くすことにもなったりするわけです。
そんなある意味怖いテレビの力なのですが、幸いなことに小麦に対する報道、グルテンに対する報道、食品添加物や農薬の危険性などに対する報道というのはけして大きくは取り上げません。
もし、書籍やYou Tubeなどで大きく取り上げられているこれらの人体への影響などについてテレビで偏向報道されてしまったら、おそらく誰もパンを食べなくなってしまうでしょう。
お米だって農薬警察が自然と組織されて、食料事情は大変なことになってしまうことでしょう。
そんなことを報道側が考えているかどうかはわかりませんが、とりあえずこれらの業界に関係するスポンサーが多い事実を考えますと、これからも報道が加熱するようなことはありえないわけです。
つまり、テレビからしか情報を受け取れない高齢者などの場合は、グルテンフリーって何?みたいな感じで今後もある意味平和に生きていくことができる訳です。
You TubeやSNSなどによって誰でもが平等に発信できることは大変素晴らしいことだとは思いますが、当然ながら偽物、知ったかぶり、学者気取り、そして単なる金儲けのための発信をしている人もかなりいる訳です。
そのこともテレビの偏向報道と同等に、見る側の私達が勉強しながら見ていく必要があるわけですね。
さて話は変わって今回は以外にもパン屋さんからの質問に多いグルテンフリー、そして小麦の害についてお話していきたいと思います。
パン屋さんといえば小麦のプロでしょ・・・と思いがちですが、私達パン屋はそもそも研究者ではありません。
それはラーメン屋さんもうどん屋さんもお好み焼き屋さんもパスタ屋さんもピザ屋さんも皆同じで、製粉された小麦の粉を使って加工するプロではありますが、そもそも小麦の成分が人体にどう影響を及ぼすものなのかということは知りようがないわけです。
本来でしたら食に関する成分分析や菌の繁殖度合い、残留農薬などの分析というのは政府の仕事ですから、政府が良しとして輸入している小麦、そして政府が良しとしている残留農薬は”安全”というお墨付きを頂いているからこそ世に出回っているわけなのですが、なぜそれを”人体にとって害のあるもの”と言われてしまうのでしょう。
まあそれは均して言えば政府は外交というお付き合いも大切にしながらのことですから、よほどのことがない限り輸入禁止にはできないわけで、多少の害は致し方なかろうとなることでしょうし、よし悪しの線引なんて明確にはし辛いのが世の常と言うものでしょう。
それは私達の日常生活でもそうですよね。
いわゆるどこまでなら妥協できるかみたいなものでしょう。
しかしそんなことは絶対に認めない、悪いものは悪いと言い切る人も少なからずいるわけで、独自に研究したり、あるいは研究結果を分析したりして人体への影響をより深く調べて世に訴えるわけです。
これらの人体に悪影響を与えるであろう食品については詳しく書くときりがありませんので、今回はあくまで小麦、そしてその中に含まれる悪いタンパク質であるグルテンについて個人的見解を述べていきたいと思います。
小麦粉が使われている食べ物ってどんなものがあるか、皆さんは考えたことがありますか?
まあうどんにラーメンにパンはまさに小麦粉がメインの食べ物ですから誰でもがご存知のことでしょうね。
もう少し細かく見ていきますと、スナック菓子や女性が大好きな焼き菓子、クッキーやケーキやマドレーヌやシフォンケーキなどのあらゆる焼き菓子が小麦粉製品であり、レトルトのカレーやシチューやふりかけやスープの素、だしに調味料にタレ、そして挙げ句には化学薬品にすらつなぎとして小麦粉が使用されています。
小麦粉というのは単体でもパンや麺のように主役になるわけですが、あらゆる食材のつなぎとして使われていたり、薬品のだまを防いだりキレイに分散されるようにと、時にはつなげ役に、時にはくっつくことを防止するために使われたりする、まさに万能選手なのです。
その小麦が体に悪い、ガンを生むと言われてこの国から排除されたらどうなるでしょう。
まさに食生活は江戸時代に戻り、私達の大好きなスナック菓子、ラーメン、うどん、パンが食べられなくなってしまうのです。
他の物には触れない予定でしたが、話をわかりやすくするために食品添加物もついでに体に悪いからと言って排除したとしましょう。
すると、食中毒を中心とした病原菌があちらこちらに蔓延し、コロナどころではなく下痢と嘔吐で病院へ行く人だらけになるでしょう。
まだ今の世の中は冷蔵庫がありますから江戸時代よりは少しはマシかも知れませんが、あらゆる食品添加物を排除すると冷蔵庫の中も菌だらけ、冷凍でも死なない菌も大活躍して、あっという間に私達の多くは死を迎えることになるでしょう。
そして平均寿命は50歳を切ることになり、「小麦が悪い、添加物が悪い」と言っていた人達の大勝利によって、この国は病原菌大国になってしまうのです。
これって稲川淳二の怖い話ではありませんよ、実際に私たちはいったいどれだけの食品添加物によって健康を維持できているのか、多少油断して消費期限を過ぎた食品を口にしても”腹いてーっ”と笑っていられるのか、インスタ映えなどといって呑気に写真を撮っていられるのか、よ~く考えてみましょう。
まもなく95歳を迎える友人のお婆ちゃんが、私が持っていくパンをとにかく美味しいと言って食べてくれるのですが、「お婆ちゃん、それ体に悪いからやめたほうがいいよ」と、今から食生活を変えさせるべきだと思いますか?
この手の議論が起こるたびに私は思うのです。
なぜ偏った見方しかできないのかと。
100歩ゆずってグルテンが人体に悪い影響を与えるとしましょう。
しかし、この世に存在する食べ物、生き物、細菌の中には、もっともっと私達にとって危険なものもあります。
そして事故、自然災害、いじめ、ストレス、人間関係、これらのすべてが今日を生きる私達一人ひとりに、リスクとして立ちはだかります。
何なら、私の生きる意味でもある飲酒は、発がん性ではトップレベルのリスクでしょうし、女子のスイーツ好きも発がん性で言えばトップレベルのリスクでしょう。
ラーメン好きなんて自殺行為でしょうし、私のように飲酒とパンにどっぷり浸かった毎日を送る人間なんていつ死んでもおかしくないはずです。
しかしなぜか生きている。
私の尊敬する武田邦彦先生も「小麦は体に悪い、人に誇れない職業についている人は不幸だ」とパン屋さんを悪者のように選挙演説で言っていましたが、ちょっとショックでしたね。
グルテンに過剰に反応してしまう人、添加物の何かしらに反応してしまう人というのもいることは確かです。
その場合、その人がその食品を食べなければいいだけの話であり、すべての人の食べる楽しみ、生きがいを奪うような言動はいかがなものかと思えてなりません。
戦後に小麦がアメリカから大量に入ってきて、それ以降人々の食生活の中にパン食が日常化してきました。
もともとは日本への小麦の輸出はアメリカの政治的意図があったことは明白でしょうが、そもそもパンや麺が美味しくなければ受け入れられるはずもなく、そのことと小麦の素晴らしさには何の関係もないのです。
日本人は小麦製品が大好きで、それを仕事としている私達もその普及に大きく知恵を絞ってきたわけです。
今日皆様が焼き立てパン屋に行って、幸せなひとときを過ごすことができるのも、小麦が素晴らしい食材だからであり、お米と同様にこれからも愛され続けることは間違いありません。
研究者の方々には、もしグルテンがある種の人に害を与えるのだとしたら、それを中和したり抑制できるような食材、あるいは薬品なりを研究していただきたいと切に願います。
人は生きていく上で必ず何かと戦っていると思います。
そんな毎日を、少しでも癒やしてくれるのが食生活ではないでしょうか。
ならば好きなものを好きなだけ食べて死ぬ道を私なら選びますけどね。
健康的だと言われるような食生活を我慢ではなく美味しいから、自分にあっているからと言って続けている方は賢いと思います。
しかし、にわか知識で安易にダイエット気分でこれらの食生活に挑戦し、その我慢の矛先を他人に向けるような言動は非人道的振る舞いであると私は思います。
しかし「日本人のガンはここ数十年で確実に増えている。その原因は食品添加物であり、グルテンのせいである」と訴える人がいます。
こちらのYou Tubeでもデータを使って説明していますが、このデータというのも実はあまりあてになりません。
データもマスコミの偏向報道と同じで都合のいいように作り変えることができるのです。
作り変えるというといかにも悪巧みしているように聞こえるかもしれませんが、そうではなくて自分が解釈しやすいように捉え方を変えることを意味しているのです。
参考までにこのYou Tubeも見てほしいのですが、納得できる内容も中にはあります。
しかし、食品添加物の一つ一つがどのように人体に影響してガンを引き起こすのかを調べることなんてできません。
なぜなら人体実験はできないからです。
いいところ癌になった患者に聞き取り調査をして食生活を調べる程度で、マウスの実験でもある種の食品添加物だけを投与して、どこまで食べたら癌になるかを試すくらいしかできませんから、やがて癌になるまで実験は続くわけです。
そんなものばかり食べさせられたら、そりゃガンにもなりますよね。
マウスも本当に可愛そうです。
しかし考えても見てください。
人はそれぞれ人体の作りも構造も食生活も精神構造も遺伝子も仕事も価値観もバラバラです。
一体何がどう影響してお腹を壊すのか、一体なぜ今日は体調がすこぶる良いのかはなんとなく????のお陰かな??程度しか知る由もなく、実際に調べようもないのです。
ですのでこの人の言っていることは単に思い込みの域を超えていません。
私が長く尊敬し続けている近藤誠氏によれば、それはがん検診の発展とともに早期癌の発見数が増えただけであって、そもそも本物のガンではない人のガン??が切り取られて治療人数に上乗せされているのにすぎないという説のほうがよほど正しいと理解できます。
つまりこの人の言う「日本人のがん患者が数十年で5倍にまでなった」という原因は、意味のないがん検診、人間ドックによる弊害なのです。
そもそもその日の体調、病気になる理由なんていったいどうやって決めつけられるというのでしょうか。
そんなものは、なぜ人間はこの世に存在しているのでしょうかと同じくらい、解明しようがないものなのではないでしょうか。
部分的には研究によって解明できるものもあるにせよ、それでもいったい何年間それを食べ続けたら癌になるのか、色々なものを食べて生きている人間でそれを特定することはほぼ不可能だと言えるでしょう。
しかも人間は感情の動物です。
食べ物だけで体調が決まるものではありませんから、尚更のこと特定のものによる害を判別することなんてできないのです。
交通事故に遭遇して奇しくも命を奪われることが世の中にはあります。
自然災害によってもそうですし、事件に巻き込まれて命を奪われるケースもあります。
そんなときに「一体なぜなんだ!!」と叫びたくなる気持ちは誰でもが理解できるでしょうが、悲しいかな「なぜ」かは解明することができません。
それは運命なのか天命なのか、それともたまたまなのか、誰にもわからないのです。
大変悲しい現実ですが、「わからないこと、理解不能なこと、受け入れがたいこと」が起こるのが人生なのであり、それを食品添加物やグルテンの責任にしたところで何の解決にもならないのです。
そんな単純なことではないのです。
最近やたらと耳にするフレーズがあります。それが・・・
「あなたの身体は食べたもので出来ている」
あなたの身体は毎日の食事で出来ているのですから、正しい食生活を行わないと身体がむしばまれていくことになりますよ~
と、実にもっともらしいフレーズだと思いませんか。
「できるだけ体に良いものを取り入れよう」そんなことは当たり前だし、皆そう思って買い物に行っているはずです。
しかし、その手の食材は通常の3倍位の値段になりますから、そう簡単には手が出ませんし、そもそも本当にそれが体に良いのかは人それぞれのはずですから確認しようがありません。
お金に余裕があって、なんか体調がすぐれなくて、「食生活がみだれているのかな?」そう感じる人が手にすればよいのであって、単に選択肢のひとつであればよいのではないでしょうか?
グルテンフリーの麺に切り替えたら便の色が良くなったという人がいたり、集中力が持続するようになったという人がいます。
反面、あんなの麺じゃない、あれを美味しいと言っている人は舌の病気なんじゃない!という人もいます。
「小麦は身体には害しかないので、パンは米粉で作ればいいんです!!」
上記で紹介した参政党の吉野氏はこのように言っていました。
しかしわたしはここに断言します。
米粉だけで作るものは
それはパンではありません。
もっと言うと人間の体は食べ物だけで出来ているのでもありません。
「生命って一体何なんだろう」
「人間って何のために存在しているんだろう」
「いったいどんな奇跡が重なって私たちはこの地球上で生きているのだろう・・・」
そんな壮大かつ根本的な人間の存在意義に思いを馳せながら、食べ物ぐらい自分で選んで勝手に食えば・・・そう思います。
子供の将来のためにも、安全な食生活を・・・と必死になっている人を見るにつけ、こういう親子がいつまでも幸せに暮らしていける世の中が続きますようにと願わずにはいられません。
しかし現実には、ミサイル一発でこんな幸せは吹っ飛んでしまうのです。
穏やかな毎日がいつまでも続きますようにと誰でもが願いはしますが、穏やかな毎日というのは作っていかなくては、努力していかなければ続かないものなのかもしれません。
2022年、食べ物の話をしていられるくらい平和であるという証ですから、どうかこの平和が一部の独裁者によって壊されることの無いよう願ってやみません。
最終更新日 : 2022-08-08