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2023-07-08 (Sat)  06:40

美味しい冷凍生地が完成しました。

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こちらのソフトフランスパンは、5年前に依頼を受けて開発した焼成冷凍パンです。

売れ行きは好調なようで、現在は月間で約10万個の製造を行っています。

そもそもがブラジルの朝食で食べられているパンを日本向けにアレンジして欲しいというコンセプトでしたので、よりしっとりとモチモチした内層、そしてパリッとした薄い表皮のパンを作るべく開発したのですが、これがまた思いの外美味しく、自分でも驚いた出来栄えとなったのでした。

製品の価格はまちまちなようですが、ネットで購入すると冷凍送料が1000円かかり、パンの価格が600円しないのに買う人なんているのかなと思ってしまいます。

店舗で売られているのはドン・キホーテがメインで、こちらではかなり安く販売しているところもあるようです。


こちらのパンは岐阜県関市にあるHACCP認定を受けた衛生的な工場で作られているのですが、その会社より新たな依頼があり、それがフランスパンの冷凍生地を作って欲しいというものでした。

私も現在までに様々な冷凍生地を作ってきましたが、フランスパンに着手したことは一度もありませんでした。

というのは、どの冷凍生地メーカーのものであっても、フランスパンだけはまったく美味しいとは感じたことがなかったからなのです。

それはそのはずです。

冷凍生地というのはイコール製造工程において発酵時間というものを取れませんので、原材料の旨味だけでパンを美味しくしないといけないのです。

しかしフランスパンはというと、バターも卵も乳製品もまったく使えませんし、砂糖すら入れることができないのです。

ということは、冷凍生地としての保存期間や発酵力などに加え、味に関しても上を目指すということが非常に難しい・・・というか不可能だと感じていたからです。

「無茶言うな~」というのが第一印象でしたが、まったくチャレンジしてこなかった内容でもありましたので、お引き受けすることとなったわけです。

幸いなことに、ここ数年はあまり副材料を使用しないパンの開発に取り組む機会が多かったこと、そして様々な小麦粉を使って試作する機会が多かったことも手伝って、小麦の美味しさそのものを表現する楽しさに気付き始めていたところでもありました。

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ということで試作を開始したのですが、驚くほどまずいパンにしか出会えなかったのです。

悲しい現実がやはり待っておりました・・・

そんな中、ここ数年間の大手の冷凍生地を使用してみると、とても発酵がスムーズで、以前ならホイロでベタっとしたり、締まった感じのパンになる印象が強かったのに対して、どのパンもソフトで膨らみの良いものが多いと感じていました。

「やはり大手の開発力には敵わないな」

「きっと画期的な改良剤が完成したんだろうな」

そんなふうに思っていたのですが、先日大手の開発担当の方と話をする機会があり、そこで思わぬ事実を知ることとなったのでした。

それは、「そんな画期的な改良剤なんてありません。ここ数十年ずっと同じものを使っています」と言うではありませんか。

ではなぜあんなに窯伸びが良いのですか?そしてしっとりとしているのですか?と聞くと、

「それはほとんど技術力でカバーしているからです」との事。

それは要するに、捏ね方とか捏ね時間とか捏ね上げ温度とか発酵時間とかを工夫しているだけだということなのです。

なんとまあビックリ!!

それはこちらの専売特許なのだとばかり思っておりましたが、そんなに都合の良い改良剤などささっと出来るはずもないですよね。

まさかあの品質が技術力から来ているなんて、工夫が足りない自分が恥ずかしくなりました。

と同時に火がついたのでした、メラメラメラ・・・・と。

そして取り組むこと数回・・・

これでもかというほど美味しいソフトフランスパンの冷凍生地が完成いたしました。


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こちらが70グラムの冷凍生地で、今回はあえて常温解凍からホイロへという手順での開発としました。

なぜなら、前日から冷蔵解凍となるとその分冷蔵庫のスペースが必要となり、具体性にかけるからです。

この生地なら常温で1時間ほどで解凍しますから、解凍したら32℃70%のホイロへ約1時間入れていただくとこんな感じで膨らんできます。


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そこにクープを入れてスチーム焼成を行います。

いつも言うことですが、できるだけ高温で短時間焼成することで、表皮は薄くしっとりとした内層のパンになりますので、今回も210℃12分で焼成しました。


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こんな感じで、とても軽い口当たりの、それでいてしっかりと味わいのあるパンになりました。

全従業員が感動して持ち帰りました(笑)

賞味期限は約2ヶ月と短めですが、何よりも味・風味ともに最高品質と呼べるパンです。

現在この冷凍生地は数社から問い合わせが来ているのですが、今回は通常ルートとは別に私個人としての販売も許されました。

どういうことかと言いますと、この製造工場は販売網を持っておりませんので、問屋さんかメーカーさん経由での販売がメインとなります。

そうなりますと、どうしても中間マージンが発生してしまい、パン屋さんに届いたときの価格はそれを含む価格になるわけです。当然ですよね。

しかし昨今の原材料の高騰や小麦価格の上昇によって、パン屋さんの原価は悲鳴を上げていることと思います。

ですので、少しでも助けになればとの思いから、工場直送価格での取引を許可頂いた次第です。

現在こちらで使用している梱包形態は一箱200個入となっていますが、それも50個でも100個でも自由に決めていただけます。

もし岐阜県内や近郊のパン屋さんやカフェなどで直接取りに来れるというような場合には、送料もかかりませんからその分お安く出来ます。

また、ダンボールを持参していただく、あるいは保冷パックなどを持参していただくなどすれば、梱包代金もいりません。

とにかく安く提供したいという思いがありますので、ご希望やサンプル依頼などがありましたらメールフォームよりお問い合わせください。

生地の大きさや長さなども要望があれば希望に添えますので、まずはお問い合わせください。

また、特にパン屋さん以外の業種の方におすすめなのが冷凍生地ではなく焼成冷凍のパンです。


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こちらのパンは60グラムのパンと20グラムのミニフランスパンになります。

冷凍庫から出して20分ほどの自然解凍ですぐに食べられますから、そのまま提供してもよし、カフェなどではサンドイッチとして使用していただくのがオススメです。

現在もすでにパスタ専門店でガーリックフランスとして、そしてカフェではサンドイッチとして使用していただいています。

パンを作って焼く・・・までを終了しているこちらの製品は、確実にお店の武器になると思います。

こちらのパンもすべて形から包装形態から配送形態まで、ご相談に応じてできる限り安く提供できるようにと考えております。

※初めに紹介した画像のポンジーニョはPBのため、直接販売することは出来ませんのでご了承ください。


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こちらの焼成冷凍パンは表皮が非常に薄く、サンドイッチにしても引きが弱く食べやすいパンになっています。

リベイクの必要もなく、解凍してすぐにサンドイッチが作れますので、食パンやコッペパンなどの品揃えが多かったパン屋さんでも、手軽にアイテム強化できます。

何よりもこのフランスパンで作るサンドイッチはまた格別な美味しさです。

開発者が言うのですから間違いありません(そりゃ言うわな~)

お気軽にお問い合わせくださいね。

冷凍生地に関してはこちらの記事も御覧ください。⇓




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最終更新日 : 2023-07-08

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