丸くて大型のパンで、クッキー生地をトッピングした、非常に日持ちのするパンの事です。 様々呼び名はあるようですが・・・
それはもう二十数年前の事。
今ではすっかりすたれてしまった商品ですが、当時はそのソフト感と日持ちがするということで、最大のヒット商品として毎日沢山焼いていました。
カステラのようにしっとりとした口当たりで、焼き立てよりも二三日経過してからの方が美味しいと言う珍しい商品でしたので、それはそれは売れました。
しかし、そんな大ヒット商品が、いつの頃からか売れ行きがすっかり悪くなるという事件が発生したのです。
当時仕込みと成形を担当していた私は、生地づくりに関しては非常に自身を持っていましたし、これは単にあきられてしまったのだろう・・・・・という程度に考えていました。
しかし、幹部からもすっかり味が落ちたとか、ぜんぜんしっとりとしていないなどと言われ、そんな覚えがまったくない私としては、何が原因で味が落ちたのかがさっぱりわからないでいました。
忙しい店であった為、スタッフは10名ほどおり、仕込みと成形とオーブンをそれぞれが分担して担当していたこともあり、特に私はオーブンからは一番遠い場所での作業でしたので、焼成をチェックするのはもっぱら完成品だけでした。
当時オーブンは工場長が担当しており、私はまだ新米だった為、工場長の焼くパンはさすがに綺麗で素晴らしいと思っていました。
工場長も、自分の焼き方には自信があるようで、工場長が休みの日には私が焼いていましたが、北欧パンは大型で、しかも上火を落として焼かなければクッキー生地が焦げてしまうために大変難しく、工場長のように綺麗には焼けませんでした。
しかし、いくら綺麗に焼けていても、美味しくないのであれば売れるわけがありません。
スタッフで試食をしてみても、たしかにパサパサで美味しくありませんでした。
こんな商品では無かった筈だが・・・・・・・・
と、そんなある日、いつものよにオーブンの前で工場長の焼いた北欧パンの美しさに見入っていた所、ふとオーブンを見てびっくり!!!
なんと設定温度がめちゃめちゃ低いではありませんか。
すると工場長が一言。
このパンはこの温度で焼くと綺麗にできあがるんだよー・・・・・・・・と。
ちょっと待てよ・・・・・・・さすがに新米の私にでも解かりました。
低い温度で焼くということは、長時間オーブンの中に入っているということで・・・・したがって水分が抜けすぎてパサパサしてしまうのではないか????
まさか、この人はずっとこの温度で焼いていたのでは???????
そうです。 こともあろうに工場長は、通常の二倍もの時間、低温で焼成していたのです。
しかも自信をもって・・・・・・・・
そういえば、当初は私や別のスタッフが焼いていましたが、いつごろからか工場長が焼く様になっていたのです。
まさか、あの美しい焼き色の裏にそんなばかげた秘密があったとは・・・・・
それじゃ意味ないじゃん ^_^;
焼く・・・という工程は、実に大切な工程で、どんなに素晴らしい商品も焼き方ひとつで100点にも0点にもなれるのだと思い知らされた事件でした。
工場長、あなたのお陰で私はその後もあらゆる問題を解決する知恵を学びました。
賢者は愚者に学び 愚者は賢者に学ばず
あなたはどちら・・・・・・・・・・
カステラのようにしっとりとした口当たりで、焼き立てよりも二三日経過してからの方が美味しいと言う珍しい商品でしたので、それはそれは売れました。
しかし、そんな大ヒット商品が、いつの頃からか売れ行きがすっかり悪くなるという事件が発生したのです。
当時仕込みと成形を担当していた私は、生地づくりに関しては非常に自身を持っていましたし、これは単にあきられてしまったのだろう・・・・・という程度に考えていました。
しかし、幹部からもすっかり味が落ちたとか、ぜんぜんしっとりとしていないなどと言われ、そんな覚えがまったくない私としては、何が原因で味が落ちたのかがさっぱりわからないでいました。
忙しい店であった為、スタッフは10名ほどおり、仕込みと成形とオーブンをそれぞれが分担して担当していたこともあり、特に私はオーブンからは一番遠い場所での作業でしたので、焼成をチェックするのはもっぱら完成品だけでした。
当時オーブンは工場長が担当しており、私はまだ新米だった為、工場長の焼くパンはさすがに綺麗で素晴らしいと思っていました。
工場長も、自分の焼き方には自信があるようで、工場長が休みの日には私が焼いていましたが、北欧パンは大型で、しかも上火を落として焼かなければクッキー生地が焦げてしまうために大変難しく、工場長のように綺麗には焼けませんでした。
しかし、いくら綺麗に焼けていても、美味しくないのであれば売れるわけがありません。
スタッフで試食をしてみても、たしかにパサパサで美味しくありませんでした。
こんな商品では無かった筈だが・・・・・・・・
と、そんなある日、いつものよにオーブンの前で工場長の焼いた北欧パンの美しさに見入っていた所、ふとオーブンを見てびっくり!!!
なんと設定温度がめちゃめちゃ低いではありませんか。
すると工場長が一言。
このパンはこの温度で焼くと綺麗にできあがるんだよー・・・・・・・・と。
ちょっと待てよ・・・・・・・さすがに新米の私にでも解かりました。
低い温度で焼くということは、長時間オーブンの中に入っているということで・・・・したがって水分が抜けすぎてパサパサしてしまうのではないか????
まさか、この人はずっとこの温度で焼いていたのでは???????
そうです。 こともあろうに工場長は、通常の二倍もの時間、低温で焼成していたのです。
しかも自信をもって・・・・・・・・
そういえば、当初は私や別のスタッフが焼いていましたが、いつごろからか工場長が焼く様になっていたのです。
まさか、あの美しい焼き色の裏にそんなばかげた秘密があったとは・・・・・
それじゃ意味ないじゃん ^_^;
焼く・・・という工程は、実に大切な工程で、どんなに素晴らしい商品も焼き方ひとつで100点にも0点にもなれるのだと思い知らされた事件でした。
工場長、あなたのお陰で私はその後もあらゆる問題を解決する知恵を学びました。
賢者は愚者に学び 愚者は賢者に学ばず
あなたはどちら・・・・・・・・・・
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最終更新日 : 2023-07-08